御伽草紙の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 00:32 UTC 版)
説話の内容により、一般的に下記のように分類される。ただし、複数の領域にまたがる作品もあり、お伽草紙の多様性を示している。 公家物語 平安時代以来の王朝物語に連なる作品群。貴族の恋愛や継子物語や、小野小町や和泉式部などの歌人物語を含む。例:小落窪・伏屋の物語 僧侶・宗教物語 寺院や草庵で修行する僧侶たちの間で作られた稚児物語や発心遁世物語や、神仏の来歴を説き語る本地物語や寺社縁起など。例:三人法師・おようの尼 武家物語 武士などの英雄の怪物退治や剛勇を示す物語。御家騒動や軍記物語に取材した作品があり、特に源義経を主人公にした判官物は人気を博した。幸若舞や浄瑠璃と共通の題材が多い。例:酒呑童子・弁慶物語 庶民物語 公家・武家・僧侶以外の庶民を主人公とする作品群。当時の民間説話と関わりが大きい。笑い話的要素や祝儀性が強く、立身出世や求婚譚も多い。例:一寸法師・ものぐさ太郎 異国・異郷物語 中国や天竺など外国や、想像上の異郷・異界を舞台にした作品群。幻想的な物語や、仏教色が濃厚な作品も多い。例:梵天国・愛宕地蔵物語 異類物語 動植物や器物を主人公にした作品群。異類婚姻譚のよう民間説話を文芸化した作品や、仏教や歌学の影響を受けた物も多い。歌人や連歌師など知識階層の遊興とも取れる。例:蛤草子・百鬼夜行絵巻
※この「御伽草紙の分類」の解説は、「御伽草子」の解説の一部です。
「御伽草紙の分類」を含む「御伽草子」の記事については、「御伽草子」の概要を参照ください。
- 御伽草紙の分類のページへのリンク