廃止された地下鉄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 09:04 UTC 版)
「ロチェスター地下鉄」の記事における「廃止された地下鉄」の解説
ロチェスター地下鉄は1928年に開業し、1956年に廃止された。ボストンのグリーンラインと同様、それまで市内を走っていた路面電車を地下化したものであり、車両も路面電車タイプのものであった。同地下鉄は路面電車路線のみならず、ニューヨーク州内のインターアーバン路線とも接続していた。日本の地下鉄直通運転や、フランスのRERの原型ともいえる。 ロチェスターの地下鉄は、1900年のルート変更により使用されなくなったエリー運河の跡地にトンネル躯体を埋め込むことで建設された。この手法は完成しなかったシンシナティ地下鉄でも用いられている。トンネルの上はブロード・ストリートという通りになったが、地下構造になったのは都心部の数マイルで、残りの部分は河床部分に立体交差の軌道が敷設されるという構造であった。 インターアーバンとの直通運転は開業3年後の1931年、インターアーバン路線の廃止により断絶してしまった。地下鉄はその後主に通勤客の輸送に用いられ、第二次世界大戦期には4両編成の電車も運行された。しかし旅客の減少が続いたことや、路線の東側半分をロチェスター都心部を避けて建設されることになった高速道路の接続道路にしたいという思惑もあり、旅客営業は1956年に廃止された。 ロチェスター地下鉄はインターアーバンとの直通運転を念頭において建設されたことから、貨物輸送を考慮した構造になっていた。そのため、残る西側半分に関しては、貨物鉄道の市内乗り入れの引込み線として使用が続けられ、ゼネラルモーターズやガネット社の貨物輸送用として1996年まで存続した。 ロチェスターには高速鉄道の計画がいくつか存在するが、それらはこの廃止になった地下鉄トンネルを再利用するものである。他にも地下鉄トンネルの地下歩道化などが検討されている。
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