幻の「360度クランク」エンジン
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「セア」の記事における「幻の「360度クランク」エンジン」の解説
2005年10月、極端なスピードレース化が深刻化する中、日本小型自動車振興会はセア改良型エンジンの実車走行テストを実施した。この改良型エンジンは、クランクを180度から360度へ変更、それに併せカムシャフトとCDIを仕様変更したものであった。結果、エンジン音はかつてのトライアンフやフジにも劣らない迫力ある重低音へと変貌した。実車走行テストは各オートレース場で行われ、CS放送やオートレースオフィシャルサイトでも動画配信された。 エンジン自体はメリハリの効いたエンジンであるとして一定の評価が得られ、2005年12月には川口オートレース場で模擬レースを行うなど、一時は採用に向けての動きが本格化していた。 しかし2006年2月、日本小型自動車振興会から検討結果報告が発表される。 360度クランクエンジン搭載車の操縦性及び安定性を向上させるためには技術的な課題がある。 現行エンジンと同レベルでの完成エンジン及び部品を安定供給するためには、長期の開発期間を要する。 これらの結果報告により、セア360度クランクエンジンの早期導入の計画については事実上白紙撤回されてしまった。事実、360度クランクエンジンの振動は模擬走行の実況放送中でも話題にされる程で、セア以外のエンジン経験を持たない24期以降の若手選手や逆に白蝋病を患うベテラン選手の間から不安の声が上った事も事実である。 今後は一般市販車の採用を含めたオートレース用競走車の総合的な開発研究を引き続き行うと公式発表しているが、エンジン単体の仕様変更についてはそれ以降目立った動きは見られていない。
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