巴鴨とは? わかりやすく解説

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ともえ‐がも〔ともヱ‐〕【××鴨】

読み方:ともえがも

カモ科全長40センチ。雄の顔に緑色黄色の巴形の斑紋がある。東シベリア繁殖日本では冬鳥あじがも。あじ。


巴鴨

読み方:トモエガモ(tomoegamo)

ガンカモ科

学名 Anas formosa


巴鴨

読み方:トモエガモ(tomoegamo)

ガンカモ科水鳥中型

季節

分類 動物


トモエガモ

(巴鴨 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/25 01:33 UTC 版)

トモエガモ
トモエガモ(オス) Anas formosa
保全状況評価[a 1][a 2]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カモ目 Anseriformes
: カモ科 Anatidae
: マガモ属 Anas
: トモエガモ A. formosa
学名
Anas formosa Georgi, 1775
和名
トモエガモ
英名
Baikal teal

トモエガモ(巴鴨[1]Anas formosa)は、カモ目カモ科マガモ属に分類される鳥類

分布

大韓民国中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国日本モンゴルロシア東部[a 2]

シベリア東部で繁殖し、冬季になると中華人民共和国東部、日本、朝鮮半島台湾へ南下し越冬する[2][3][4][5][6][a 3]

日本では主に本州以南の日本海側に渡来し、関東地方以西で越冬する冬鳥[7]

模式標本の産地(模式産地)はバイカル湖(ロシア)で、英名の由来になっている[1][6]

形態

全長37-43センチメートル[3]。翼長オス20-22センチメートル、メス18-21センチメートル[4]。翼開張65-75センチメートル[3]体重0.4-0.5キログラム[6]。体上面の羽衣は褐色[3][5]

嘴の色彩は黒い[5]

オスは肩羽が伸長する[3][5]。オスの繁殖羽は頭部に黒、緑、黄色、白の状の斑紋が入り[2][3][4][7][a 3]、和名の由来になっている[1]。種小名formosaは「美しい」の意[1][6]。オスの非繁殖羽(エクリプス)は全身の羽衣が褐色で、眼から頬にかけ不明瞭な黒い筋模様が入る[3][5]。また幼鳥やオスの非繁殖羽は喉の白色部が不明瞭[3]。メスは全身の羽衣が褐色で[2]、黒褐色の斑紋が入る[3]。また嘴基部に白い斑紋が入り[2][4][7][a 3]、喉が白い[3]

生態

非繁殖地では湖沼河川などに生息し[3][4][5][a 3]海岸に飛来することもある[2]。繁殖地ではツンドラや森林地帯内にある湖沼や渓谷、湿原、水辺の草原などに生息する[2][6][a 3]

主に群れで生活する。基本的に数羽から数十羽程度だが、多い時には500羽以上の群れを作ることもある。[8]

食性は植物食傾向の強い雑食で、主に種子を食べるが[4][a 3]、水生植物、藻類昆虫甲殻類貝類なども食べる[2][6]

繁殖形態は卵生。窪地、茂みや流木の中などに巣を作り、6-9個の卵を産む[2][6]。抱卵期間は25日[4]。雛は孵化してから3-4週間で巣立つ[6]

人間との関係

食用とされることもあった。またカモ類の中では最も美味であるとされる。そのため古くはアジガモ(味鴨)や単にアジ(䳑)と呼称されることもあった[1][9]。 アジガモが転じて鴨が多く越冬する滋賀県塩津あたりのことを指す枕詞「あじかま」が出来た。

開発による生息地の破壊、乱獲により生息数は激減している[6]。越冬地では法的に保護の対象とされている地域もあるが、狩猟と対象とされている他種との誤射も懸念されている[6][a 3]1993年の大韓民国にある2か所の保護区における生息数は5,0000-5,5000羽と推定されている[2]

2020年代に入ると、環境の変化などで越冬地での生息数は急増しており、島根県宍道湖では2023年度に58,000羽、千葉県印旛沼では同年度に66,000羽の飛来がそれぞれ確認されている[10][11]

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[a 3]

画像

参考文献

  1. ^ a b c d e 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、246頁。
  2. ^ a b c d e f g h i 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、74、182頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、119頁。
  4. ^ a b c d e f g 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、52頁。
  5. ^ a b c d e f 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、104頁。
  6. ^ a b c d e f g h i j 『絶滅危惧動物百科4 カザリキヌバネドリ―クジラ(シロナガスクジラ)』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店、2008年、38-39頁。
  7. ^ a b c 「野生動物編」『京都府レッドデータブック 2015』 1巻、京都府自然環境保全課、2015年4月、75頁。 
  8. ^ 『新版 日本の野鳥』 7巻、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2014年1月5日、525頁。ISBN 978-4-635-07033-1 
  9. ^ 䳑(あじ)とは”. コトバンク. 2020年5月13日閲覧。
  10. ^ 佐野翔一 (2024年1月20日). “出雲空港にカモの大群 バードストライク警戒 島根県調査 5万8千羽に急増”. 山陰中央新報. 2024年1月25日閲覧。
  11. ^ 小林正明 (2024年1月25日). “絶滅危惧トモエガモ、2千→17万羽 温暖化が原因?特に千葉で急増”. 朝日新聞. 2024年1月25日閲覧。

関連項目

外部リンク


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