川端康成の貸別荘にてとは? わかりやすく解説

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川端康成の貸別荘にて

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:00 UTC 版)

ある崖上の感情」の記事における「川端康成の貸別荘にて」の解説

覗き見ということ関連するものとして、基次郎川端康成から覗き魔勘違いされということもあった。それは作品発表から約半年前の1928年昭和3年1月3日湯ヶ島遊びに来た小西善次郎北野中時代同級生で、川端親戚)と一緒に川端の住む熱海貸別荘出向いて5日間ほど滞在した時の出来事であった。 その滞在中のある夜、1階川端夫妻部屋泥棒侵入した。まだ寝床の中で眠ってなかった川端隣の部屋から物音がした時から異変に気づき2階の基次郎降りて来たのだろうかなと思っていた。そしていよいよ泥棒夫婦寝室の襖を静かに開けると、川端は基次郎覗き見に来たと考え、「梶井君は奇怪な事をすると息ひそめていた。 しかし、川端暗闇の中でその人物をよく見ると前掛けをした商店小僧だと分かり鴨居吊るしてある川端インパネスポケットから財布盗んでいた。そして小僧枕元方に来ようとした時に大きな瞳をぱっちり開いていた寝床川端と目が合いぎょっとしながら「だめですか」と言ってすばやく部屋から出て逃げて行った川端はすぐに飛び起きて玄関まで追ったが間に合わず、秀子夫人異変で目が覚め加勢求め2階にいる基次郎を呼ぶが、泥棒侵入した知った次郎怖くてなかなか階下下りられなかった。そのため、後で秀子夫人から「梶井さんは臆病ね」と言われ川端とは泥棒の「だめですか」の捨て台詞巡って、「実に意味深長名句なのだらう」と笑い合ったその後次郎湯ヶ島訪ねて来る友人らにこの一件笑い話として披露したが、自分川端から一瞬でも覗き魔疑われたことが何となく〈たまらなく〉感じた。 それからあの泥棒どうなりました 友人達話してみなあの名せりふに吹き出さないものはありませんでしたが はじめ僕だと思つてゐらつしやつてそれがマントを捜し枕元へやつて来、といふところを話すときになると、その「想像的僕」なるものが僕自身随分たまらなく その点は全く人の悪い泥棒だと思ひました — 梶井基次郎川端秀子宛て書簡」(昭和3年2月15日付) そして、この覗きをしている〈「想像的僕」なるもの〉が、『ある崖上の感情』の作中で、崖上から人の性行為覗き見る俺の二重人格〉のヒントになって生かされることになった

※この「川端康成の貸別荘にて」の解説は、「ある崖上の感情」の解説の一部です。
「川端康成の貸別荘にて」を含む「ある崖上の感情」の記事については、「ある崖上の感情」の概要を参照ください。

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