山岳ジャケットと山岳ズボン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:15 UTC 版)
「軍服 (第二次世界大戦の米陸軍)」の記事における「山岳ジャケットと山岳ズボン」の解説
1939年の冬戦争でのフィンランド軍スキー部隊の活躍に触発された米陸軍は第10山岳師団を編成。1945年1月にイタリア戦線で初めて実戦投入された。同師団の一部が山岳ジャケットと山岳ズボンという専用の軍服を着用した。 山岳ジャケットの正式名称は「JACKET MOUNTAIN」(PQD266)である。コットン・ポプリン製でウール地などの防寒用ライニングはされていない。外観の特徴は4つのフラップ(蓋)ポケットである。両胸のポケットは大きな貼り付けポケットで周囲にプリーツが付いており、口はジッパーで閉じるが、蓋にはボタンはついていない。裾のポケットは切り込みポケットであるが、こちらはジッパー留めではなく、蓋をボタンで留める。ジャケット前合わせはジッパーとボタンで二重に閉じる。一番の特徴は背中のカーゴポケットであり、ポンチョやパーカーなどの衣服を収納した。重い物を背中に収納する場合に備え、ジャケットの内側にはサスペンダー(ズボン吊り)も付いていた。襟の裏には収納式のフードが付いている。腰には布ベルトも付いており、金属製のフレームバックルで留める。このジャケットの上には下記のパーカーを着用できた。 山岳ジャケットと一緒に着用する山岳ズボン(正式名称「TROUSERS MOUNTAIN」(PQD262))も上衣と同じコットン・ポプリン製である。屈みやすいよう股上がルーズフィットにデザインされている。左右に中央と周囲にプリーツの付いたカーゴポケットがあり、2つボタンで留めた。腰ポケットはジッパー開閉である。左右の尻ポケットはボタン留めのV字型フラップポケットである。 山岳ジャケットとズボンはM1943フィールドジャケットと似ているが、フードや背中のカーゴポケット、袖口のタブ、ズボンのカーゴポケットなどの特徴で見分けられる。 山岳ズボン(1945年4月17日、捕虜になったドイツ兵を監視する第10山岳師団の米兵)
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