尿沈渣の染色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 20:50 UTC 版)
尿沈渣検査は無染色での鏡検が原則ではあるが、多くの施設では、細胞や円柱の鑑別を容易にするため、染色液を使用している。代表的なものがステルンハイマー(Sternheimer)染色である。超生体染色(細胞を固定せずに染色)であり、生きた細胞は染色されず、死んだ細胞が濃染する。一般的に、細胞はピンク~赤で核は青に染まる。硝子円柱は青色、その他の円柱は封入物による。染まらないものは細胞・円柱以外の可能性がある。染色液の欠点として、赤血球が溶血することがある。 尿沈渣成分ステルンハイマー染色における染色態度赤血球 淡赤桃〜赤、無染 白血球 核-青、細胞質-淡赤桃〜赤。ステルンハイマー染色では好中球を以下のように区分することがある。輝細胞glitter cell大型の淡染細胞で、白血球内の顆粒のブラウン運動を認める。腎盂腎炎+低張尿で出現するとされるが特異性は低い。 淡染細胞pale cell細胞質が染まらず核が淡青色に染まる。生きのいい白血球を意味する。炎症の活動性を反映。尿比重が1.015以上のときに多く認められる。 濃染細胞dark cell細胞質が桃色で核が濃赤色に染まる。死滅/老化した白血球。膣分泌物の混入に由来する白血球は大部分が死細胞。病的意義に乏しい。 上皮細胞 核-青〜青紫、細胞質-淡赤桃〜赤紫 硝子円柱 淡青〜青 顆粒円柱 赤〜赤紫 ロウ様円柱 赤桃〜淡赤紫 核および細胞質内封入体 赤〜赤紫色、まれに青紫色 粘液糸 淡青〜青 精子 頭部-青、体部・尾部:赤桃 細菌・酵母・トリコモナス 無染、淡赤桃色 結晶・脂肪顆粒・デンプン粒 無染
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