尿比重
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 04:50 UTC 版)
「尿中一般物質定性半定量検査」の記事における「尿比重」の解説
尿比重は尿に溶解している固形成分の量を反映する。健常人は主にナトリウムと尿素による。屈折計で測定されることが多いが、尿糖・尿蛋白が大量に含まれる場合は補正が必要である。 随時尿の比重は1.010から1.030の間であることが多いが、水摂取状態によりこの範囲を超えて変動する。(24時間尿では1.015前後である。)水分制限で尿比重が1.025を超えれば腎臓の濃縮能は維持されている(若年者では1.032以上、高齢者では1.025~1.027)と考えられる。腎不全が進むと、腎の濃縮・希釈能力が低下するため、血液と等張の1.010前後になっていく。 なお、尿比重の下2桁を0.03で除するとおよその浸透圧が得られる。 尿比重が高値となる場合尿比重が偽高値となる場合尿比重が低値となる場合尿比重が偽低値となる場合脱水症 多量の尿糖 多量の尿蛋白 屈折計法の場合は下記により高値となるが尿濃縮を反映しているわけではない。高度の尿糖 高度の尿蛋白(ネフローゼ) ヨード造影剤、マンニトール、グリセリン、等の投与後。 水分過剰摂取 腎不全 間質性腎炎 慢性腎盂腎炎 尿細管障害 高Ca血症 低K血症 利尿剤 ADH不応(腎性尿崩症) ADH分泌不全(尿崩症) 試験紙法では陽イオン濃度から比重を算出しているため下記の場合は偽低値となる。非電解質成分(尿素、クレアチニン、糖、蛋白、など)が多い尿。
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