小口径ライフルの登場と、1852年のトライアル
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「エンフィールド銃」の記事における「小口径ライフルの登場と、1852年のトライアル」の解説
1849年にフランスでクロード=エティエンヌ・ミニエーによってミニエー弾が発明されると、徐々に欧米各国でミニエー銃や、ライフルマスケットの生産が始まった。イギリスは1851年に、フランス、ベルギー製ミニエー銃のコピーである.702口径の1851年式ライフルマスケットを採用するが、1852年代初頭では、ヨーロッパの基準からしてそれは既に旧式であった。 そして、小口径の弾丸が大口径弾に比べて、より速い初速や、より低い弾道、より高い精度などを出す事が判明していた。そのため、1852年の初めに、より軽量で効果的な軍用銃器の開発の為、当時の兵器総監(英:Master-General of the Ordnance)がイギリス内の著名なガンメーカーを招待してトライアルを行った。また、兵器総監(英:Master-General of the Ordnance) は、イギリスの小火器委員会に、ミニエー弾の鉄製カップに起こる面倒事を無くす方法を探すように指示した。 トライアルに参加した7丁の銃の内、5丁は有名なガンメーカーが作成し、提出させたもので、6丁目はエンフィールド造兵廠で作られた.635口径の銃身を持つ1851年型ライフルマスケット、7丁目は通常の1851年型ライフルマスケットだった。そしてこのトライアルを通して、それぞれのガンメーカーが自身の銃に調整を加えていくが、それを行うのに長い時間を費やしていたので、小火器委員会には独自で研究をする時間があった。小火器委員会は、自分達の研究と、トライアルに参加したそれぞれのガンメーカーの独創的なアイデアを組みあわせ、1852年8月にエンフィールド造兵廠で2丁のライフルマスケットを完成させた。スペックは以下の表の通りである。 エンフィールド造兵廠で製造された2丁のプロトタイプライフルマスケットのスペック項目内容備考重量 銃剣付きで約4.1kg 1851年型ライフルマスケット(銃剣付きで約4.7キロ)より12%軽かった。 口径 .577口径(約14.7mm) 銃身長 39インチ(約99.1cm) 銃身の重量 約2kg ライフリング本数・ねじれ率 3条、1:78インチのねじれ ロック構造 スイベル式 バンド 3つのバンドで銃身を固定している。 照準器 リーフ式照門、ラダー式照門の2種 一丁目に、100、200ヤードに調整可能な持ち上げ式リーフ照門、2丁目には800ヤードまで細かい調整が可能なウェストリーリチャーズ特許のラダー式照門が搭載されている。 この銃は、トライアルのレポートでは「新型エンフィールド銃(英:THE NEW ENFIELD MUSQUET)」と呼ばれていた。
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