小アパルトヘイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 13:08 UTC 版)
隔離施設留保法(英語版) レストラン、ホテル、列車、バス、公園に映画館、公衆トイレまで公共施設はすべて白人用と白人以外に区別された。バスは黒人用のバスと停留所、白人用のバスと停留所に別れ、病院も施設の整った白人用と不十分な施設しかない黒人用に分けられた。白人専用の公園などの場所に立ち入った黒人はすぐに逮捕された。 雑婚禁止法 人種の違う男女が結婚することを禁止された。(黒人と白人など。) 背徳法 異なる人種の異性が恋愛関係になるだけで罰せられる法。 パス法 黒人に身分証明書の携帯を義務付けた法。有効なパスを持たないものは不法移民とされ、逮捕されホームランドなどへの強制送還が実施された。 その他、黒人の参政権を否定する「原住民代表法(英語版)」(1936年)や黒人の教育を低レベルなものへとどめてしまった「バントゥー教育法」(1953年)など、就職、賃金、教育、医療、宗教など、日常生活の隅々にわたる非白人を差別する政策が、無数の法と慣行で制度化されていた。しかし、これらの差別法を非白人に守らせるには膨大な警察、管理機構が必要であったため、政府予算の半分近くがアパルトヘイト維持のための関連支出となった。これらは白人納税者にとっても負担であり黒人の熟練労働を禁じたことも経済成長のうえでマイナスになった。一方、安価な単純労働力としての地位しか与えられなくなった黒人の失業率は急速に増大し、さらに1960年代にそれまで黒人の大雇用先であった白人大農場の機械化が進んで多数の黒人労働者が解雇され、さらに彼らの流れ込んだホームランドで人口圧力により農業生産が急減するにいたって雇用状況はさらに悪化した。この膨大な失業者が、やがて黒人抵抗運動の火種となっていった。
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