対概念:ナード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 14:11 UTC 版)
「ナード」も参照 ジョックという存在の対極として語られるのが「ナード」という存在である。 明瞭なる定義は存在せぬものの、一般には「スポーツを不得手とする種類の者」、特には「スポーツ以外の趣味に打ち込む者」のことで、しばしばジョックと二項対立をなす存在として、そのなかでジョックに虐げられる存在として語られる。背景には、スポーツ以外の「情熱的な趣味」を持つ者をあくまで変人と見做す風潮があり、加えて、その者が持つ趣味の「知識」の要求の度合いが大なればなるほど、その者が受ける他者からの「ナード」としての認識も強くなり、もって「ジョック」の対極に近づいてゆく。 例として、 ギーク(コンピュータ系おたくなど) あらゆる文化系 音楽系(パンク、メタル、EMOなどに代表される、ロック系統の特定の音楽に傾倒する者) バンド・ギーク(吹奏楽、マーチングバンドなどに携わる者) ゴス インテリ などが挙げられる。「ナード」は、男の王道たるジョック、女の花道たるチアに対して、これら「メインストリーム」から外れた二流の者の至る道――平易には「敗者の受け皿」であるとしばしば捉えられる。 ジョック対ナードという対立の図式は、高校や大学などの学校社会のみならず、米国における社会や文化を語るうえで不可欠となってくる要素の一と考えられている。例えば、政治を語るときにリベラル(左派)の多くがナードを出自とするということは無視できず、大衆文化を語るときにほぼ全ての文化人がナードを出自とするということは無視できない、などである。特に映画監督などはナードの出自の物が多く、ナードが特殊能力を手に入れてヒーローになる、といったストーリーはアメリカの映画でよく見られる。その場合、ジョックは犠牲者、あるいは脅威に対する噛ませ犬として描かれることになる。 多くの同性愛者らも、ジョックに性的関心や憧れを抱くと同時に、ジョックらからいじめを受けたりや無視されたりすることがしばしばである。ゆえに合衆国の社会における性的マイノリティーの立場を彼らが初めて体感する相手でもある。
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