実施の意義を問う声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:50 UTC 版)
高度経済成長以前、日本の一般家庭の所得水準が低く、高速交通網も未発達で家族旅行自体が稀であった時期は、修学旅行によって見聞を広めることがその基本的な目的とされていた。しかし、所得の上昇、交通インフラの整備により、自家用車で頻繁に家族旅行をしたり、海外も含め遠方へ旅行に行く機会も増えてきた頃から、修学旅行の存在意義を問う声も聞かれるようになった。加えて目前に差し迫った進学や就職へのマイナス面を心配する声や、学校や教育委員会と旅行代理店の癒着への批判から、修学旅行を廃止、あるいは廃止を模索する学校が増えてきた。 しかし、「短い学生時代に友人たちと一緒に昼夜を過ごす共同生活の体験をとおし、対人関係の望ましい態度や習慣を身につける」・「実物の資料に触れるなど、平素と異なる生活環境(現地の自然や文化など)に親しむ中から見聞を深める」「集団生活や公衆道徳の在り方について望ましい体験を積む」体験を通し、「多感な世代の人間形成に大切な役割を担う」などの見地から、学校関係者・生徒・保護者のいずれも今のところ修学旅行に肯定的な見方をする者の方が多く、修学旅行そのものの見直しに踏み切った学校は数少ない。ただし、修学旅行という呼称を止めて「宿泊研修」など呼称を変更した学校もある。 なお、低所得者や生活保護受給者が増えたことで修学旅行積立金の費用捻出が困難となった家庭が珍しくなくなるという観点から、その意義を問う意見もある[誰?]。 2020年以降は新型コロナウイルスの感染防止という観点から、学校側の判断で修学旅行を中止、または日数を短縮するケースが多く見られたが、中止になった修学旅行をそのまま廃止、あるいは廃止を模索する中学校も存在する。
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