宗教の成立について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 20:56 UTC 版)
人には宗教的欲求がありそれが宗教を成立させているのだろう、といった方向での考察。人間には美や善を求める欲求があるように、宗教的なものを求める欲求があり、これが宗教を成立させる、とする。有限な(死すべき運命の)人間が無限を希求するのだ、とする観点。(宗教を持つ立場からは、宗教を十分に理解していない、と見なされることもある考察) 啓示によって宗教は成立している、とする考察。 宗教は超越的な存在から人間に与えられることによって成立したものであるとする。(宗教を持たない立場からは、しばしば護教的と見なされる考察) 人間が捉える不可知な事象や存在に対して抱く畏れ、畏敬といったものへの感情を理由付ける概念として、人間は『神』を創造したと考える。例えば、雷や風、その他災い、病気、苦しみの感情などあらゆる自然現象を起こす源として、それらは『神の技』として位置付けることが出来る。これを『神』として畏れ、祭壇を作り、対話を行うとそれらは、やがて形式化された『宗教』の発生へと繋がるものと考えられる。やがて、生存環境が与える人間の苦悩から、如何に救われ得るかを説く者が現れ、そこに『思想』、『教義』が生まれ、人々を導く者が出現する。人間が抱く人生での苦痛や苦悩、嘗て人間が抱いた自然環境への脅威、不可知なものへの畏怖に対し『自然科学』の発展に伴い、従来の『神』が『科学』という新たな拠を見出だした人類は、『神』と『科学』は相容れないものと考える傾向がある。しかし、そもそも『神』とは「無限性」や「永遠性」といった人間の持つ特有の『概念』を指すものである。『宗教』とはこうした「無限性」や「不可知」な領域を含め、人生を取り巻くあらゆる環境の中で如何に在るべきかを説く『学問』であると言える。
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