表具用手漉和紙(宇陀紙)製作
主名称: | 表具用手漉和紙(宇陀紙)製作 |
ふりがな: | ひょうぐようてすきわし(うだがみ)せいさく |
認定区分: | 個人 |
種別: | 美術工芸品 |
選定年月日: | 1978.05.09(昭和53.05.09) |
解除年月日: | |
解説文: | 書画の掛幅【かけふく】の表具は、三度ないし四度裏打【うらう】ちが施されて完成する。裏打ちに用いる紙は美濃紙【みのがみ】(肌裏【はだうら】)、美栖紙【みすがみ】(増裏【ましうら】ときに中裏【なかうら】)、宇陀紙と定まっており、各種の紙の特質を生かし、組み合わされて一体化しているところに我が国の表具の特色がある。宇陀紙は奈良県吉野地方で古くから漉かれてきた手漉和紙で、楮を原料とし、地元特産の白土【はくど】を混入して漉き、強靱であるとともに表具に適した紙の柔軟性や紙に伸縮がこない安定した保存性など表具に適した特性を持つ。 宇陀紙は昭和五十一年五月四日に、選定保存技術として選定され、福西虎一【ふくにしとらいち】が保持者に認定されていたが、昭和五十三年二月二十七日に死去した。福西虎一の技術や知識は、生前すでに長男福西弘行に伝承されていた。 福西弘行は、昭和二十年より父福西虎一を助けながら家業の宇陀紙の製紙に従事してきた。特に父が研究した木灰煮熟【きばいしやじゆく】についてはその後も研鑚を怠らず、また、一時絶えた良質の地元の楮【こうぞ】を自ら栽培して原料を確保したり、困難な条件の中で天日乾燥【てんぴかんそう】など伝統的製法を守るなど、伝統的な宇陀紙の製法の保存に尽力し、その製品の優秀なことは表具関係者の中で高く評価されている。 |
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