宇和島鯛めし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 00:16 UTC 版)
鯛めしは愛媛県の郷土料理の一つとして知られるが、地域によって、大きく二つの種類に分けられる。東予地方や中予地方では一般的な焼き鯛の炊き込みご飯を鯛めしと呼ぶが、宇和島市を中心とする南予地方では鯛の刺身を、醤油を主体としたタレに生卵、ゴマ、きざみねぎなどの薬味を混ぜたものに和え、ご飯に載せたものを鯛めしと呼ぶ。 同地方にはひゅうが飯という味付けした刺身を米飯に載せて食べる料理があり、「鯛めし」はその鯛バージョンを指す名称であった。元々は宇和島市の一部に伝わる家庭料理であったが、昭和50年代に、当時の津島町(現・宇和島市)に「六宝」という名称でひゅうが飯を出す店が現れ、他地域の人々にも知られるようになった。その後「生の鯛めし」は松山市など宇和島市以外の県内に広がり、やがて南予地方の名物とされるようになっていった。昭和60年代には「鯛めし(ひゅうがめし)」と記載する例が多かったが、やがて「鯛めし」の名称に統一されていった。 2007年(平成19年)、「宇和島」の地名を冠した「宇和島鯛めし」として農林水産省の「郷土料理百選」に選ばれた。地元の飲食店などでつくる協同組合が地域団体商標を登録している。元は、宇和海にある日振島を拠点とする海賊が、船上で火を使わず食べたことが始まりとする伝承もある。 松山市では平成21年に「活き鯛めし」の名称を使い、松山市の郷土料理として大々的に「鯛めし」を紹介したが、現在は宇和島が発祥の地と変更されている。
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