契約上の守秘義務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 07:56 UTC 版)
法律上の守秘義務とは別に、次のような契約上の守秘義務が問題となる場合がある。 業務提携やデューディリジェンス、仲裁合意をする場合など企業秘密を互いに共有ないし提出する必要がある場合には、互いにその秘密を守ることを要求されるため、守秘義務契約(英 : en:Non-disclosure agreement・略称NDA。秘密保持契約(協約・約定) secrecy agreement または confidentiality agreement、機密保持契約などとも呼ばれる)を締結することがある。これらは従来は民事上の契約に過ぎなかったが、近年の不正競争防止法の罰則強化により、契約違反には刑事罰が課せられる可能性が生じ、事実上強い強制力を持つようになっている。 民間企業において、製品開発、特許基礎技術の研究、個人情報を取り扱う業務などで、一般の従業員に対して、退職後も守秘義務を課する旨の就業規則等が定められていたり、個別の労働契約等を締結し、従業員がこれに違反した場合、懲戒に処したり、退職後であっても損害賠償を請求する場合がある。退職後の行動に一定の制約を課すものであることに照らすと、こうした合意は、その内容が合理的で、被用者の退職後の行動を過度に制約するものでない限り有効と解されるべきである(エイシンフーズ事件、東京地判平成29年10月25日)。これについては、様々な裁判例がある。 要約筆記奉仕員のような、利用者のプライバシーに直接関連する業務については、従事する者がボランティアで行っていたとしても、秘密を守ることが要求される。 報道のための取材を行う記者などは、報道の自由を全うするために、取材源秘匿権を有する。その裏返しとして、これら記者などには取材源を秘匿すべき職業倫理上の守秘義務があると解されている。 これらの契約上の守秘義務に関する詳細については、それぞれの関連項目を参照されたい。
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