奉神礼における意味と意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 15:31 UTC 版)
「リザ (キリスト教)」の記事における「奉神礼における意味と意義」の解説
まばゆい輝きをもったイコンのリザは、この世のものならぬ、形而上学的なひかりのシンボルである。「ひかりを纏えよ、リザの如くに」というわけである。イコン崇敬を問題にした第2ニカイア公会議では契約の箱の材料(木材)とイコンの同一性に着目された「契約の箱は黄金で覆われていたのであり(「これに純金をかぶせる。それは、その内側と外側とにかぶせなければならない。その回りには金の飾り縁を作る」 『出エジプト記 25:11』))、それならばイコンも貴重なるオクラドで飾られるべきだということである。 たいていイコンには、オクラドの下に描かれたばかりであっても、入念に衣服や背景、銘が書き込まれる。それは、オクラドがないままであっても、美しい見栄えをたもつためであった。同じような念のいれようは、「イコンに描かれた聖者たちの装いにひとしいこれらのリザは、魂の救済というイメージを象徴的に開示するものであり、清廉(白銀)と神の恩恵(黄金)によって輝かしく飾りつけられたものと解することができる。宝石や真珠、まばゆい琺瑯などをオクラドにあしらうことは、いくつもの精神的恩寵によって彩られた魂の豊饒のシンボルなのである」という言葉にもみてとれる。オクラドの目的は、形而上のひかりの象徴をつくりあげることであり、そこには聖性がやどっている。永遠に繁茂する植物をモチーフにして装飾されたバスマー(浮彫りのされた金属板)は、その神的なひかりの生き生きとした力を表している。 この貴重なイコンの装具の起源は、古からの伝統である聖者の崇拝と関わっている。いわゆる異端のキリスト観に習ったものであるが、そこから偶像崇拝の要素をなくし、信仰のための言語を人格化する手段としたものであった。
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