太陽・熱と気象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 14:51 UTC 版)
地球上に起こる気象は、太陽の活動により地球に供給されるエネルギー(放射エネルギー)に由来している。太陽が発している放射エネルギーを太陽放射といい、ほぼ全量が電磁波であり、そのうち47%が波長0.4 - 0.7μmの可視光線(人間の目に見える光)、46%が波長0.7 - 100μmの赤外線、7%が波長0.4μm以下の紫外線である。なお、生物に有害な波長0.2μm以下の紫外線のほとんどは散乱されたり大気上層(オゾン層)の成分により吸収されたりして、地表にほとんど到達しない。地球に入ってくる太陽放射を100とすると、30は反射によりすぐに宇宙に放出され、残りの70が地球の大気や地面、海洋などに吸収されて熱となる、 「地球のエネルギー収支」も参照 この熱が、気象の原動力となる。 なお、大気が存在することにより地表は保温されている。全地球を平均した表面温度は現在約15℃だが、大気がない場合には約-20℃と推定される。大気中の成分が太陽放射や地球放射 を吸収して熱に変換しているからであり、これを温室効果という。 地球の大気上端の太陽に対して垂直な面が受ける太陽放射の量を太陽定数といい、現在は平均1366W/m2 である。太陽放射の量は各地点の太陽の高度(水平線に対する角度)、すなわち季節と緯度により変わる。仮に大気による吸収がないとした場合、太陽高度α度における太陽光は I = 1366 × sin α (W/m2) となる。緯度が高い地点ほど太陽の高度が低く、届く太陽光は少ない。また同じ地点では夏至に最も太陽の高度が高く、冬至に最も低い。春分や秋分の赤道は太陽高度が90度であるため、約1366W/m2になる。なお地上の場合、大気や雲による吸収を経て地上に到達するため、これよりも小さい値となる。
※この「太陽・熱と気象」の解説は、「気象」の解説の一部です。
「太陽・熱と気象」を含む「気象」の記事については、「気象」の概要を参照ください。
- 太陽・熱と気象のページへのリンク