太陽活動および宇宙線量の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 16:50 UTC 版)
「暗い太陽のパラドックス」の記事における「太陽活動および宇宙線量の変化」の解説
少数意見としては、イスラエル系アメリカ人物理学者の Nir Shaviv によって提唱されている、太陽風が気候に及ぼす影響に基づいた仮説がある。これは、デンマーク人物理学者のヘンリク・スベンスマルクが提唱した仮説であるスベンスマルク効果を考慮に入れたものである。この説によると、過去の太陽は現在よりも強い太陽風を放出しており、これによって地球大気への宇宙線の侵入を防ぎ、その結果として地球は温暖に保たれていたとされる。そのため初期段階では現在の地球と同程度の穏やかな温室効果によって地球が凍りつくのを充分に防ぐことが出来たとされる。 なおかつての太陽が現在よりも活発であったという証拠は、この説の提唱以前に隕石中に発見されている。 24億年前周辺での地球の温度の極小期は、銀河系内での星形成率の変動に起因する宇宙線の流束の変化に伴っている。初期に強かったと思われる太陽活動が減衰することによって地球に降り注ぐ宇宙線の流束に大きな影響がもたらされ、これが気候変動を関係しているという仮説が提唱されている。 なお、地球に降り注ぐ宇宙線量が地球の雲の生成量に影響を与えて気候変動の一因となっているというスベンスマルク効果は、それ自体がまだ仮説の段階であり、近年の研究では雲量と宇宙線量の間には見られないか、あるいは影響があってもごく小さいという報告もされている。
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