雲の生成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/08 19:58 UTC 版)
雲の生成に大きく関わっているのは上昇気流である。水蒸気を含む空気塊が上昇気流によって持ち上げられると気圧の低下によって膨張し「断熱冷却」され、水蒸気量が変わらないので湿度が上昇していく。持ち上げられる前の水蒸気量や気温によって露点温度は変わるが、露点温度を超えるといわゆる過飽和蒸気となる。微粒子が含まれるふつうの空気では過飽和度が1%くらいに達すると凝結が始まる。 水蒸気がどんどんと凝結していき雲粒となる過程を凝結過程(ぎょうけつかてい, condensation process)または拡散過程(かくさんかてい, spreading process)という。水蒸気は凝結核や昇華核と呼ばれる大気中の微粒子(大気エアロゾル粒子)を核にして凝結または昇華する。凝結核は吸湿性のある微粒子であり、風塵や砂塵嵐によって舞い上がった土壌由来のもの、火山ガスや工業排出による硫酸塩類、海面の微泡沫がはじけて蒸発したあと残る海塩粒子など。凝結過程にある雲粒の大きさは数~数十µmのオーダーである。なお、氷晶核と呼ばれる微粒子がなければ、凝結した微小水滴(雲粒)は-40℃くらいまで凍結せず過冷却である。-数度程度の過冷却は大気中でふつうに発生し、これが次の併合過程で重要な因子となる。 凝結過程にある数~数十µmの微小水滴は、質量で比べると雨粒の10万分の1以下と非常に小さい。凝結過程ではこれ以上大きくなることが難しいと考えられており、雨や雪に成長するものは次の過程に移る。
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