大学編入学、または高専専攻科への進学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:12 UTC 版)
「高等専門学校」の記事における「大学編入学、または高専専攻科への進学」の解説
就職のほか、高専を卒業(5年間の課程を修了)すると技術科学大学をはじめとする大学(学部)の3年次に編入学することができ、高専に設けられた専攻科への進学と合わせて進学の幅も増えている。 さらに、学部や専攻科を卒業後、大学院修士課程(または博士前期課程)へ進学する者も多い。なお文系学部へのセンター入試は高専のシステムの関係上難しいという見方も少なからずあり、大学に進学する場合でもほとんどの場合編入学で進学する。 この影響で、学校によっては本科の卒業生に占める就職者の比率が20%を割り込む例も見られる。この現状については、高専の設置目的と照らし合わせて揶揄される場合もある。しかし研究機関や企業の研究職・開発設計職を目指す場合は、大学院修了が要件とされている場合も多く、そのような職に就きたいと考える学生が大学に編入学し、大学院を目指すのは必然であるともいえる。 2013年度(平成25年度)の本科の全卒業者:10,307名の内、進学した者は4,044名(39.2%)であり、その内訳は、大学へ編入学した者:2,436名(23.6%)、専攻科に進んだ者:1,603名(15.6%)、大学に入学した者:5名(0.0%)となっている。 理工系の学部を有するほとんどの国公立大学で、定員を設けて高専からの編入学を実施しており、高専卒業生の受け入れを目的の一つとして創設された国立大学(国立大学法人)である豊橋技術科学大学や長岡技術科学大学をはじめ、その他の国公立大学工学部に編入学する場合が多い。また近年、少子化などによる学生不足から、理工系に限らず編入学定員を設ける私立大学も増えており、短大卒者と同様に文系の学部へ編入学するケースも見られる。また、医学部への編入学は学士編入学に限られていたが、東海大学医学部では2005年度(平成17年度)から一般編入学(2年次)に転換され、高専からの医学部編入学に道が開かれることになった。また薬学部も北海道医療大学(2008(平成20)年度)などで編入学を実施するなど、工学系の高等専門学校生にも門戸が開かれるようになってきた。 工学系の学部で高専に同様の専攻がある場合は、高専卒業見込者を対象に推薦編入学制度を持つ大学も多く(最大のケースで編入学定員の50%)、一説に、通常の高校 → 大学(一般受験)コースよりも高専 → 編入学コースの方が国公立大学に入りやすいと言われる所以にもなっている。 推薦編入学の場合は、成績が上位であって(概ね1クラス上位の10〜20%)学校長推薦を受けられる事が必要条件で、調査書及び志望論文の選考と面接試験(口頭試問)によって合否判定される(不合格の場合は筆記による編入学試験も受験可能である)。学校長推薦を受けるためには、特に3・4学年の成績が重要である。なお長岡技術科学大学と豊橋技術科学大学は、書類審査のみで推薦編入学の合否判定を行う。 また筆記による編入学試験では、選考日程さえ重ならなければ、同年度中に複数の国公立大学を受験することができる。
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