夜叉の瞳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 04:57 UTC 版)
「人魚シリーズ」の中で、この物語だけは唯一映像化されていない。 鬼柳新吾(きりゅう しんご) 湧太が日露戦争前 に働いていた鬼柳家の長男。凶悪を絵に描いたような残虐なサイコパスで、女子供にも容赦一つしない不死身の殺人鬼(サイコキラー)。普段からショットガンや斧を持ち歩き殺戮を行う。幼少時から動物への殺傷や放火を平気で行い、残酷な行いを止めようとした姉(晶子)に事故で眼を傷つけられてからは、自分の悪行の全てを姉の責任に転換するようになる。自分をかばう存在である姉の結婚に反対し、遂には晶子の婚約者を毒殺。無理心中を図った晶子に人魚の肉を食べさせられ、挙句父親に惨殺されたが、人魚の肉が適合し不死身になった。隻眼だったため姉の眼球を奪って取り付けていたが、その網膜に自身の瞳を奪おうとする浅ましい姿が焼きついていた。その姿を消すために姉を殺害しようとしたが殺害後も消えなかったため、ついに耐えられなくなって観念し、自ら首を打ち落として自決した。 鬼柳晶子(きりゅう あきこ) 新吾の姉。子供の頃から弟思いで、新吾の残虐な行いを見かね殺そうとする父から弟をかばっていた。猫を殺害しようとする新吾を止めようとして彼の目を刃物で刺して集眼にしてしまい、それ以降は新吾から悪行の責任転換され弟を止めきれずに苦しんでいた。婚約者が弟に毒殺されたのを機に、自責の念から新吾と2人で人魚の肉を食べ心中しようとしたが、彼女だけは仮死状態となり人形のように変わらぬ姿のまま動くことなく現代まで存在していた。最期は新吾に殺害されそうになったが、湧太が代わりに首を打ち落として終わらせた。 鬼柳未亡人(きりゅうみぼうじん) 鬼柳家の現代の当主。晶子の身体を大きな人形だと思い窓辺に置いていたところ、新吾に譲れとしつこく要求されていた。何回か「過失で新吾を殺害した」と警察に通報したため、近所からは幽霊屋敷と呼ばれていた。晶子の話や新吾について全く何も知らなかったところからすると、2人の存在は封印されたためか一族からも忘れ去られていたようである。 杉子(すぎこ) 鬼柳家で住み込みのお手伝いをしている老婆。子供の時(第二次世界大戦前)に地下牢に幽閉されていた新吾にそそのかされ、結果的に新吾の逃亡を手助けした。老年になって身寄りがなかったため鬼柳家に戻っていた。新吾に怯えるがあまりに一時正気を失っていたが、彼が自殺した後は未亡人から新吾はもうこないと伝えられて落ち着きを取り戻した。
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