夜半課
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/11 22:02 UTC 版)
聖スボタの夜半課(やはんか)の最後に、聖堂に安置されていた眠りの聖像が王門から至聖所に運びこまれ、王門が閉じられると、神品は衣服を改め、堂内の照明はおとされて代わりにともされた蝋燭から、信者はそれぞれ燭をわかちあう。信者はみな聖堂から退出し、教会の外で十字行(十字架をかかげた教役者を先頭に信者が聖歌を歌いながら行列を行う)を行う。 聖堂を三周したのち、一同は聖堂正面にたち、司祭と聖歌隊の交唱により聖歌が歌われる。司祭は67聖詠(詩篇68)の冒頭に基づく聖歌を歌い、聖歌隊はその節ごとにパスハのトロパリ(後述)を歌う。復活祭ではじめてパスハのトロパリが歌われる時である。 神は興き、其仇は散るべし、彼を悪む者は其顔(かんばせ)より逃ぐべし。 煙の散るが如く、爾彼等を散らし給へ、蝋の火に因りて融くるが如く、斯く悪人等は神の顔に因りて亡ぶべし。 惟義人等は楽み、神の前に欣ふべし。 主は此日を作れり、欣びてこれを祝ふべし。 そののち司祭が「ハリストス復活」と唱すると、信者が「実に復活」(じつにふっかつ)と応じる(ハリストスは他派でいう「キリスト」に相当。日本ハリストス正教会の項を参照)。この応答は復活大祭の奉神礼においてはつねに三度繰り返される。こののち、一同はパスハの讃詞を歌いながら聖堂内に入り、蝋燭を献じ、またそれとは別に各人が手に灯した蝋燭をもち、奉神礼に参加する。なお国によってはこの蝋燭を灯したまま家に持ち帰り、家庭の火をそれによって灯す。
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