基質としての糞とは? わかりやすく解説

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基質としての糞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 01:54 UTC 版)

糞生菌」の記事における「基質としての糞」の解説

動物の糞は、動物の種によってもその性質大きく異なる。哺乳類では、大ざっぱ言って肉食動物のそれは粘液っぽくて臭いが強く草食動物のそれは繊維っぽく臭いは薄い。菌類がよく観察されるのは草食動物のものとされており、ヒツジウサギの糞がよく観察用いられるネズミ類の糞も興味深いものが見られる場合が多い。しかしそうでない動物でもさまざまなものが発見されている。また、爬虫類両生類、あるいは昆虫などの糞から発見されたものもある。鳥類の糞は一般に菌類出現少ないとされる。 ここでは主に草食動物の糞について説明する。糞と言えば、その動物食べた餌から栄養吸収した残りかす考えがちであるが、必ずしもそうではなく菌類から見れば元の餌より魅力的である面すらある。以下のような特徴挙げられる糖類など可溶性の栄養素多く含むこと。これはセルロースなど分解困難な成分利用が苦手な接合菌などの成長に役立つ。また、主成分セルロースリグニンで、これらは子嚢菌担子菌多く利用する窒素含有量が高いこと。これらの糞の窒素含有率は4%にも及び、一般的な菌類基質である植物遺体材木0.1%以下程度)に比べるはるかに高い。さらに、草食動物の元の餌より高いのが普通で、これは動物分泌物腸内細菌活動のためである。蛋白質なども多く含まれる。これらは多く菌類の子実体形成にとって有利に働く。 ビタミン・ミネラルなどの成分多く含まれること。いくつかの糞生菌はこれらのうちの特殊な成分成長のために必要としている。 水分多く保持されていること。また、比較長くそれを保持できること。なお、乾燥したもの含ませれば菌類出現し始めるので、乾燥して保存する場合もある。また、これらの糞の多く弱酸性であり、このことも菌類繁殖には有利とされる。なお、鳥類の糞は弱アルカリ性であり、菌類出現少な原因一つ考えられる。 半固形で、小塊が積み重なった構造であること。菌糸成長有利な構造である。 また、糞はそれぞれの動物によって特定の形で出されるが、これも単にその形に集められ均質な素材考えてはならずそれぞれの粒に構造があり、それが菌類重要な意味を持つらしい。例えそのままの糞を置いて培養した場合と、粉末にして寒天培地広げた場合では、後者の方が出現種数明らかに少なかったとの報告がある。 このほか、糞に生じ生物相に関係を持って出現する群もある。たとえばエダカビ科ディマルガリス目のものは糞の上出現するケカビ類を宿主とする寄生菌である。また、糞には線虫なども繁殖するから、線虫捕食菌なども出現することがある

※この「基質としての糞」の解説は、「糞生菌」の解説の一部です。
「基質としての糞」を含む「糞生菌」の記事については、「糞生菌」の概要を参照ください。

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