地質生物学におけるキャリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 17:11 UTC 版)
「フェリッサ・ウルフ=サイモン」の記事における「地質生物学におけるキャリア」の解説
ウルフ=サイモンの研究は進化微生物学と外来代謝経路(exotic metabolic pathways)に焦点を合せている。2008年の会議、続く2009年の論文ではウルフ=サイモンとその同僚らはヒ酸塩 (arsenate) (AsO43−)がリン酸塩(PO43−)の代替として機能しうるのではないかと提案した。初期の報告書の共著者であったPaul Daviesによれば、ウルフ=サイモンはヒ素がリンの代替になりうることに対するクリティカルな洞察を持っていたという。 ウルフ=サイモンはそのような生命体を探し出すため、カリフォルニア州のヒ素が元々豊富なモノ湖をターゲットにした。モノ湖における調査の結果、DNAや他の必要不可欠な生体分子内でリン酸塩の代わりとしてヒ素を取り組むことが可能なGFAJ-1というバクテリアを発見した。もしこの研究成果が正しければ、DNAや他の重要な生化学的機能にヒ素を取り込むことが可能と判明した世界初の生命となると思われたが、この論文は発表当初から論理的実験的な稚拙さから批判が殺到し、サイエンス誌が発見を主張する論文とそれを否定する八つのグループによる複数の反対論文を同時掲載するという前代未聞の異例の事態になり、2012年には原論文の要点をほぼ完全に否定する報告がサイエンス誌上で発表され、ほぼ間違いだったことが確定的となっている。この発見には、もともと確実な証拠が皆無なのにかかかわらずメディアの報道だけが過熱したことから、「微生物学のビッグフット」と揶揄されている。この発見論文はそもそも出版されるべきではなくRetraction(撤回)されるべきだという意見がある中、2018年1月時点では撤回まではいたっていない。
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