圓とドル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 15:19 UTC 版)
ドルの起源はターラーであるとされるが、アメリカの1ドル銀貨はメキシコドルに基づくもので、量目、銀品位もほぼ等しくつくられた。また東アジアにおいてはドルを漢字「圓」で表記したのであり、圓、ドル共に元をたどれば起源を同じくするもので、19世紀後半において圓、ドルは国際通貨であった。しかし300年以上に亘る流通と、圧倒的な鋳造量を誇るメキシコドルに対し、歴史の浅いアメリカ、香港および日本などの銀貨は市民権が容易には得られず市場において若干の増歩を要求される始末で、アメリカおよび日本は量目を420グレーン(27.216グラム)と若干増量した貿易銀を発行して対抗したが成功には至らなかった。 19世紀ごろまでは世界各国において銀本位制が主流であったが、1821年にはイギリス、1873年からはアメリカ、ドイツ帝国、1876年からはフランスと欧米各国が相次いで金本位制へ移行した。日本も名目上は1871年から金本位制を敷いていたが、金準備の絶対的不足、金貨の国外流出から金本位制はほとんど機能せず、1878年からは貿易一圓銀貨を事実上の本位貨幣とし、事実上、他の東アジア諸国と並ぶ銀本位制となっていた。 その後、世界的な銀の増産、各国の銀本位制からの離脱は金高銀安を招き、19世紀終盤には銀本位制であった東アジア諸国の圓は、米ドルなど金本位制の通貨に対し相対的に下落した。 中国および台湾では、米ドルは「美圓(美元)」、ユーロは「欧圓(欧元、歐羅)」などと表記される。
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