国会議員を務めた後に地方議員になる例
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「日本の国会議員」の記事における「国会議員を務めた後に地方議員になる例」の解説
一般に政治家は地方議員や地方自治体の首長を務めた後に国会議員となることが多い。逆に国会議員を退いてから地方自治体の首長になることも少なくはないが、地方議会の議員になることも珍しくない。2000年に「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(通称:地方分権一括法)が施行され、国家と地方公共団体が名目上では対等な関係となったことから元国会議員が地方議会議員に鞍替え出馬する事例は増えている。 ただ一括法施行以前の事例も含め工藤万砂美・木内良明・池田隆一・三上隆雄・岸本健・荒巻隆三・田中英夫・鎌田さゆり・百瀬智之・浅野貴博など大半が都道府県議会議員である。市区町村議会議員の事例は少ない。 政令指定都市議会議員も1999年に京都市議会議員選挙に上京区選挙区から立候補して当選した竹内譲・公明党衆議院議員、2011年に岡山市議会議員選挙に中区選挙区から立候補し第1位で当選した熊代昭彦・元自由民主党衆議院議員(元内閣府副大臣)、2015年に名古屋市議会議員選挙に東区選挙区から立候補し当選した佐藤夕子・元民主党衆議院議員等数例にとどまる。 また一般の市区町村議会議員に転身した例は1959年に下館市議会議員に当選した菊池豊・元民主党衆議院議員(元下館市長)、1963年に大田区議会議員に当選した伊藤憲一・元日本共産党衆議院議員、1999年に市川市議会議員に当選した小岩井清・元日本社会党衆議院議員(元千葉県議会議員)、2015年に長久手市議会議員に当選した大島令子・元社会民主党衆議院議員、2017年に千歳市議会議員に立候補し第1位で当選した小林千代美・元民主党衆議院議員、2019年に金沢市議会議員に立候補し第1位で当選した田中美絵子・元民主党衆議院議員等わずかであり、異例と言える。 特に供託金が不要であった町村議会議員選挙に国会議員経験者が鞍替えした事例は極めて少ないが、1928年の第16回衆議院議員総選挙に旧北海道第5区から立候補し当選した前田政八・元政友会衆議院議員が戦後出身地の佐賀県藤津郡塩田町に帰郷し、同町長を経て町議会議員を務めた事例のほか、1991年に苅田町議会議員選挙に立候補し第1位で当選した尾形智矩・元自由民主党衆議院議員(元苅田町長)、2001年に三朝町議会議員に当選した知久馬二三子・元社会民主党衆議院議員の合わせて3名が転身を果たしている。 元国会議員は総じて知名度が高く、組織票や特定の地域に固い支持基盤がある場合もあり、地方選挙では尾形智矩・熊代昭彦・小林千代美・田中美絵子らのように第1位・高得票当選となる事例も少なくない。とはいえ地方政界にも独自の競争があり、工藤万砂美・三上隆雄ら地方議員に転身を果たし任期を務めた後、最終的には落選して政界を引退した事例や、尾形智矩・熊代昭彦・百瀬智之のように地方議員には高得票当選したものの、その後自治体首長への転身はならなかった例もある。 更に伊藤昌弘・大久保三代・笠原多見子・新開裕司・鈴木陽悦・土田龍司・中野渡詔子・中村力・西村正美・橋本勉・畠中光成・原陽子・武藤貴也・山之内毅・山村明嗣・山村健・吉田和子など、地方議会議員への転身叶わず落選している元国会議員も多い。平賀高成(元日本共産党衆議院議員。のち静岡県議会議員)のように落選後幾たびも国政復帰を目指すも叶わずすべて敗れ、地方議会議員選挙でも及ばず、計7回落選。国会議員の地位を失ってから15年にしてにしてようやく地方議会議員当選に至った事例(2019年4月、再び落選し県議会議員の議席を失う)、斉木武志のように地方議会議員への転身叶わず落選した後に衆議院議員に当選し、国政復帰を果たした事例もある(2021年、第49回衆議院議員総選挙に立候補するも落選)。転身を重ねる元国会議員もおり、新原秀人は国会議員の地位を失ってから神戸市議会議員への転身を果たした後、国政進出前に勤めた兵庫県議会議員への再転身を目指すも落選。百瀬智之は国会議員の地位を失ってから長野県議会議員への転身を果たした後、松本市長選挙に立候補するも落選。更に東京都議会議員選挙に立候補するも落選したが、自身の松本市長選挙立候補で欠員となった長野県議会議員の補欠選挙に自ら出馬。当選し県議会に復帰している。
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