古環境と食性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 06:42 UTC 版)
本種が発見されたのは現在の西シベリア平原に所在するイタット累層(英語版)(下層のバッジョシアン階と上層のバトニアン階からなる。年代は170.3–166.1 Ma。)の上層部(年代は 168.3–166.1 Ma)である。西シベリア平原は現世における世界最大の炭化水素盆地である西シベリア石油盆地(英語版)とその領域において同一と言ってよいが、本種が棲息していた当時では、ローラシア大陸の中央部のかなりの部分(北寄り)を占めており、本種を産出した地点は当該地域のやや東寄りに位置していた。 イタット累層からは、軟骨魚類(ヒボドゥス)、硬骨魚類(チョウザメ目、アミア目、ハイギョ、ほか)、両生類(無尾目〈カエル〉、有尾目)、カメ、鱗竜形類、スキンク類、コリストデラ類 (Choristodera)、ゴニオフォリス科(絶滅ワニ形類)、翼竜、恐竜(竜盤類のヘテロドントサウルス科(英語版)、鳥盤類のマメンチサウルス科(英語版)と剣竜類)、キノドン類(トリティロドン類など)、哺乳形類、そして多丘歯目等の哺乳類といった、多種多様な脊椎動物が出土している。植生としては、トクサ科、薄嚢シダ類、イチョウ類、球果植物などが認められる。なお、キレスクスなどプロケラトサウルス類は主として小動物を捕食していたと考えられているため、共産した中でも小型の生物、例えばハラミヤ目 (Haramiyida) もしくは真ハラミヤ目 (Euharamiyida) に分類されるキノドン類(もしくは哺乳形類)のシネレウテルス (Sineleutherus) などは、キレスクスの餌になっていたかもしれない。ただし、キレスクスの推定全長は代表的なプロケラトサウルス類であるグアンロンよりも大きく、これが獲物の選択に変化を与えた可能性もある。 なお、2020年代初期の知見では、原鳥類および鳥群はまだ地球上に出現しておらず、既知で最古の例は約1億6500万年前であるから、時期的には出現前夜と言ったところである。
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