古代~中世後期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 04:15 UTC 版)
古代に用いられたオナガー(onager)、あるいは中世に登場したマンゴネル(mangonel)やトレビュシェット(trebuchet)といった投石機は、火薬こそ使用しないものの曲射弾道兵器という点で共通しており、臼砲や迫撃砲の系譜に連なっている。また、バリスタ(ballista)やスコーピオ(scorpio)などの弩弓の中には大きな仰角をとって曲射できるものもあり、防壁などの遮蔽物越しに攻撃できた。 火薬の燃焼エネルギーを利用した砲身内の圧力(装薬の化学変化によって生じるガスの膨張圧)で砲弾を加速する、いわゆる「火砲」は12世紀初頭のイスラム世界でようやく誕生するが、初期のマスケット(銃)が長いあいだ長弓に及ばなかったのと同様、火砲の進化にも長い年月を要し、トレビュシェットは火砲の登場後も300年近く使用され続けた。 なお、遥か後代の第一次世界大戦中、フランス軍はオナガーやマンゴネルを簡易縮小化した「スプリングガン」を前線に多数配備した。ゴムやバネの力で擲弾を発射する仕組みで投石機の近代再設計版と言えたが、射出できる擲弾が小さく威力不足な上に射程も短く、射距離の調節や照準が難しいことから早期に使用されなくなった。 投石機オナガー(中世ではマンゴネル) トレビュシェット分解・梱包して搬送され戦地で組み立てられた。大型のものは150kgの石弾を300メートル投射できる
※この「古代~中世後期」の解説は、「迫撃砲」の解説の一部です。
「古代~中世後期」を含む「迫撃砲」の記事については、「迫撃砲」の概要を参照ください。
- 古代~中世後期のページへのリンク