古代~中世初期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 17:22 UTC 版)
ブリテン諸島における本格的なキリスト教の歴史は、ウェールズ出身で432年よりアイルランドに伝道した聖パトリックに遡る。 続いて563年には、アイルランド出身の修道士・聖コルンバが、アイオナ島やスコットランドに伝道し、さらに635年には聖エイダン(英語版)がイングランド北部にリンディスファーン修道院を創建し、ケルト系キリスト教がブリテン諸島の主流となった。 一方、597年にはカンタベリーのアウグスティヌスが教皇グレゴリウス1世の命によりイングランドへ派遣され、初代カンタベリー大司教に着座する(聖公会の起源の一つとされる)。こうして土着的なケルト系キリスト教と直系のローマ・カトリックがせめぎ合う状態となったが、664年のウィットビー教会会議でケルト系キリスト教の主張が破られたことを転機として、次第にケルト系キリスト教はローマ・カトリックに同化されていった。 のちの時代の聖公会においては、この歴史により、ブリテン諸島ではローマ・カトリックより前から独自のキリスト教文化があったとして、ケルト系キリスト教にアイデンティティーを見出す動きが一部に見られ、近代に建てられた各国の聖公会の聖堂や墓碑などにも、ケルト十字が好んで用いられるという傾向もある。
※この「古代~中世初期」の解説は、「聖公会」の解説の一部です。
「古代~中世初期」を含む「聖公会」の記事については、「聖公会」の概要を参照ください。
- 古代~中世初期のページへのリンク