古代と近代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 09:14 UTC 版)
「ミハイル・ロストフツェフ」の記事における「古代と近代」の解説
主著である『ローマ帝国社会経済史 The social and economic History of the Roman Empire,1926』と『古代世界の歴史 A History of ancient world,1926-27』、『ヘレニズム世界社会経済史 Social and economic history of the Hellenistic world,1941』でロストフツェフは古代ヨーロッパとオリエントに復帰するとともに、初期の歴史観を大いに更新したと考えられる。 その第一はローマ帝政前半期における商工業の発展と「都市ブルジョアジー」の役割を強調したこと。第二は古代経済を「家内経済」と見なすことに反対し、ギリシア・ローマ文明は現代文明と同じ発展諸段階をたどったと述べ、この見解は「古代ローマは近代ロシアではない」という反論を招いた。ロストフツェフは歴史の過程を3つか4つの段階に区分することは実践的な意味しか持たない、人間の歴史すべてに発展段階を適用するのは誤りであるとも述べている。資本主義が古代にも近代にも同じように存在したというのは、各時代に質的な差がないとする見解から自然に導き出される。『ローマ帝国社会経済史』がいまだに有意義と見なされるのは、そのような歴史観より豊富な考古学の成果と史料の裏付けにより古代の社会経済を最初に包括的に扱ったということによってである。
※この「古代と近代」の解説は、「ミハイル・ロストフツェフ」の解説の一部です。
「古代と近代」を含む「ミハイル・ロストフツェフ」の記事については、「ミハイル・ロストフツェフ」の概要を参照ください。
- 古代と近代のページへのリンク