収束判定法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 07:46 UTC 版)
詳細は「収束判定法(英語版)」を参照 与えられた級数が収束または発散することの判定法はさまざまなものが知られる。 比較判定法 (comparison test) 数列 (an) の各項が、別の数列 (bn) の各項と比較して、任意の n に対し 0 ≤ an ≤ bn が成り立つものとする。このとき∑▒bn が収束するならば ∑▒an は収束する。 ∑▒an が発散するならば ∑▒bn は発散する。 の二つの命題が成り立つ。 ダランベールの収束判定法(比判定法、ratio test) 複素数列 (an) に対し、 lim n → ∞ | a n + 1 a n | = r {\displaystyle \lim _{n\to \infty }\left|{\frac {a_{n+1}}{a_{n}}}\right|=r} なる定数 r が存在するものと仮定する。 r < 1 ならば級数 ∑▒an は収束し、r > 1 ならば級数は発散する。r = 1 のときはこの判定法では収束するとも発散するともいえない。 コーシーの冪根判定法 (root test) 対象となる級数の各項は複素数であるものとし、 r = lim sup n → ∞ | a n | n {\displaystyle r=\limsup _{n\to \infty }{\sqrt[{n}]{|a_{n}|}}} とする。 r < 1 ならば級数 ∑▒an は収束し、r > 1 ならば級数は発散するが、r = 1 のときはこの判定法では収束するとも発散するとも判定することはできない。 比の判定法も冪根の判定法も、幾何級数の挙動と比べることに基づく判定法であり、これらの判定法が有効な場面というのも似通っている。実は、比の判定法が有効な(極限が存在して 1 ではない)とき、冪根判定法は常に有効だが、逆は正しくない。つまり冪根判定法のほうが適用範囲は広いのだが、実用上の問題として、よくある種類の級数に対してこのような冪根の極限を計算することは難しいことが多いという点がある。 積分判定法 与えられた級数をなんらかの積分と比較することで収束・発散を判定する方法がある。数列 (an) に対して f(n) = an となる正値単調減少関数が存在するならば、 ∫ 1 ∞ f ( x ) d x = lim t → ∞ ∫ 1 t f ( x ) d x < ∞ , {\displaystyle \int _{1}^{\infty }f(x)\,dx=\lim _{t\to \infty }\int _{1}^{t}f(x)\,dx<\infty ,} のとき級数は収束し、積分が発散するならば級数は同様に発散する。 極限比較法(英語版) 正の項からなる数列 (an), (bn) について、各項の比 an/bn が 0 でない有限な極限をもつならば ∑ n = 1 ∞ a n < ∞ ⟺ ∑ n = 1 ∞ b n < ∞ {\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }a_{n}<\infty \iff \sum _{n=1}^{\infty }b_{n}<\infty } が成り立つ。 ライプニッツの判定法 交代級数の収束判定法は、 ∑ n = 1 ∞ ( − 1 ) n a n {\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }(-1)^{n}a_{n}} の形の交代級数が、正値数列 (an) が単調減少で 0 に収束するならばもとの級数も収束する(十分条件)というものである。 コーシーの凝集判定法 (an) が単調減少列ならば ∑ n = 1 ∞ a n < ∞ ⟺ ∑ k = 1 ∞ 2 k a 2 k < ∞ {\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }a_{n}<\infty \iff \sum _{k=1}^{\infty }2^{k}a_{2^{k}}<\infty } が成立する。 ディリクレの判定法 アーベルの判定法(英語版) ラーベの判定法(英語版)
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