収束半径の値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 09:49 UTC 版)
収束半径は、級数の各項にコーシーの冪根判定法を適用することで求めることができる。もし、 C = lim sup n → ∞ | c n | n {\displaystyle C=\limsup _{n\rightarrow \infty }{\sqrt[{n}]{|c_{n}|}}} ( lim sup {\displaystyle \limsup } は上極限を表す)であれば、収束半径は 1/C である。 C=0 であれば、収束半径は無限であり、複素数平面上に特異点は存在せず、 f(z) が整関数であることを意味する。 ただ、大抵の場合はダランベールの収束判定法で事足りる。ある自然数 m が存在し、 m<n となるすべての自然数 n について cn≠0 となるとき、極限 L = lim n → ∞ | c n + 1 c n | {\displaystyle L=\lim _{n\rightarrow \infty }\left|{\frac {c_{n+1}}{c_{n}}}\right|} が存在するならば、収束半径は 1/L である。この極限は、上記の C より計算しやすい。しかし、代わりに C に関する公式を使わねばならないような場合には、 L は収束しない。 また、具体的に係数 cn が求まらない場合は優級数を用いて評価する方法もある。複素関数の場合には、複素数 z0 を中心としたテイラー展開の収束半径は、その点から最も近い特異点(微分できない点)までの距離に等しいことが知られている。逆に複素数平面上に級数が収束する領域を円で表すと、その境界線上には必ず特異点が存在することになる。特異点が存在しない場合は、収束半径は無限大である。
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