反響と規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 00:47 UTC 版)
この装置への対応は、前年のマルチ・ディフューザー騒動と同じ経緯をたどった。オフシーズンの合同テストでMP4-25を見たライバルチームは、レギュレーション違反ではないかと抗議し、ジャーナリストたちは「バトンゲート」や「クラッシュゲート」になぞらえて「ニー・ゲート(Knee Gate)」と呼んだ。 FIA技術委員チャーリー・ホワイティングは開幕戦バーレーンGPでMP4/25を査察し、Fダクトは合法であると判断した。他チームは遺憾の意を表しながらも模倣システムを開発し、シーズン序盤戦から中盤戦にかけて相次いで投入。レッドブル・RB6が装備した「ブロウン・ディフューザー」とともに、2010年の2大技術トレンドとなった。2010年よりシーズン前にホモロゲーションを受けたシャーシの改造は認められないため、Fダクトを前提にデザインされていないマシンに複雑なシステムを後付けする作業は容易ではない。トロ・ロッソはフリー走行でテストしたものの実戦投入ならず、新規参入3チーム(ロータス、ヴァージン、HRT)は開発自体を行わなかった。 その後、FOTA加盟チームは協議の結果、マルチディフューザーと同様に2011年からFダクトを禁止することに合意した。FIA国際モータースポーツ評議会も「マシンの空力的性格を変更する手段としてドライバーの動作を利用するマシンシステム、デバイス、あるいは手順はいかなるものも、2011年には禁止する」と発表した。そして、2011年よりFダクトの代わりに、条件付きで操作可能な可動式リアウィングフラップ(ドラッグリダクションシステム(DRS))の使用を許可した。 しかしながら、2012年にはメルセデスがDRSと連動してフロントウィングに機能するダブルDRSを投入するなど、ストールシステムの開発は続けられている。
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