単独日本国籍保持者の他国への帰化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 00:16 UTC 版)
「帰化」の記事における「単独日本国籍保持者の他国への帰化」の解説
他の国籍を同時に有しない純然たる日本国籍保持者(日本人)が、自らの志望により外国の国籍を取得した場合(つまり帰化した場合)には、国籍法第11条第1項の規定により当該帰化と同時に自動的に日本国籍を喪失する。しかし、当該事実を日本国政府として自動的に把握する制度・機構がない(他国籍への帰化者には帰化完了時に日本の市町村へ届け出る義務はあるが、ドイツを除いて日本の当局と外国政府とが直接的に国籍情報を交換する制度はない)ため、本人からの届出がない場合は「違法に」日本人としての戸籍は存置することとなる。このため、法律上は確実に日本国籍喪失状態であるにもかかわらず、(本来は無効である)当該戸籍謄本を用いて日本国旅券を取得したり住民登録するなどして、事実上多重国籍状態を継続する者もあるとされ、これらは旅券法その他の法律に抵触する。例えば旅券法における罰則は「五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されることとなる。 なお、同法第11条第1項の「日本国籍自動喪失」規定はあくまで「自らの志望によって」他国籍を取得した場合という限定条件が冠されており、つまりは手続を踏んで自ら他国へ帰化した場合に適用されるものであり、片親が外国人であるため自動的に二重国籍であったり(出生によるなど)、外国人との婚姻によりその配偶者の国籍が自動的に付与されたり(女性側に付与される場合が多い)、当該他国における貢献などが認められて、前述の「大帰化」に相当する措置(その国における国会決議や大統領指令など)により当該他国籍を一方的又は恩恵的に付与された場合には、日本国籍を自動的に失うことはないと解される。
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