単独気泡体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/23 12:58 UTC 版)
単独気泡体である発泡金属は、1926年メラーによってフランスで特許が取得された。これは気泡を作るため軽い金属に対し不活性ガスを注入したり、それを膨らませたりする。 その後、ベンジャミン・ソスニクがスポンジ状の金属に対する二つの特許を1948年と1951年に取得。これは水銀の蒸気で液体アルミニウムを膨らませると言うものだった。 単独気泡体の発泡金属は1956年頃からビョークステン研究所のジョン・C・エリオットによって発達した。最初の試作品は50年代に完成したものの、商品となる物は90年代に日本の神鋼鋼線工業株式会社によって開発された。発泡金属は、通常ガスや発泡剤(大抵TiH2)を溶けた金属に注入することにより作られる。溶けた金属の泡を安定させるため、高温の発泡剤(ナノ、またはマイクロメートルの大きさの微粒子)が必要となる。気孔の大きさは通常1から8ミリメートル。 単独気泡体の発泡金属は元来、自転車用ヘルメットに使われる発泡ポリマーのような衝撃吸収材として利用された(実際はより大きな衝撃用として)。多くの発泡ポリマーとは違い、発泡金属は衝撃の後、元の形に戻らないため一度しか利用することができない。発泡金属は軽く、通常元となる金属(大抵はアルミニウム)の10%から25%の密度しかない。また、 発泡金属は堅く曲がりにくいため、よく構造材料に使うよう提案される。しかしながらこの目的には、まだ一般的には使われていない。 単独気泡体は防火性があり、再利用が可能である。また、水に浮くという特性も持っている。
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