単機能エフェクターとマルチエフェクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 17:51 UTC 版)
「エフェクター」の記事における「単機能エフェクターとマルチエフェクター」の解説
形態についても、演奏家が使用する手のひら大の「コンパクトエフェクター」から電気録音・PAで汎用的に使用され、規格化された幅のラックに収納する「ラックマウント型」、ミキシング・コンソールやシンセサイザーあるいはカラオケに「内蔵」されたものまで多様である。 歴史的には、もともと単機能のエフェクターを必要により複数つなぎ合わせて使用していたが、デジタル回路技術の進歩により複数のエフェクト機能を1つに実装した「マルチエフェクター」も一般的になってきた。単機能エフェクターをつなぎ合わせた場合と比べると、(1)より少ないスペースで済む、(2)複数の機能を組み合わせるのが容易、(3)各種の設定や接続順などが複数通り記憶できそれらが一瞬にして切り替えられる、などのメリットがあるが、単機能エフェクターに比べて操作性に劣る、あるいは要求する音質と違うなどの理由で、単機能エフェクターを複数つなぎ合わせるケースも見られる。また、こうした単機能エフェクターをアンプも含めて自在にパッチングしセッティングを記憶できるラインセレクタやスイッチングシステムと呼ばれるものもある。 現在もギタリストがステージ上でプレイする上で、ノイズが発生するリスクを知りながら、複数のデジタル・エフェクターが一体化したものを避け、古い操作形態の様々なエフェクターを複数台(ボードなどといった形式で)接続している例があるが、これは観客のいないリハーサルやサウンドチェック時と多くの観客の入った本番では会場の反響など聞こえる音の状態が変わる時があり、その時々の他の楽器とのバランス、ギタリスト本人のコンディション、時にはエフェクターへの供給電圧の変化などといったアクシデントに応じて、操作を変える必要が出た際に、プリセット式や順に操作機能やパラメーターを呼び出す従来のデジタル式のエフェクターでは即座に対応しきれないケースがあるからである。またこうした問題に対応するため、デジタル式のエフェクターの中にはステージ上での操作性を重要視した機種もある。
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