単壁孔と有縁壁孔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/30 00:20 UTC 版)
壁孔は、それを取り囲む二次細胞壁の形状に応じて単壁孔と有縁壁孔に類別される。壁孔壁と孔口の径がほぼ等しい (孔口の縁が張り出していない) 壁孔は、単壁孔 (simple pit) とよばれる (下図)。一方、孔口の縁の二次細胞壁が張り出して (壁孔縁 pit border) 壁孔壁よりも孔口の径が明らかに小さい壁孔は、有縁壁孔 (bordered pit) とよばれる (右図)。有縁壁孔では、大きな壁孔壁と小さな孔口が二重の円に見える (上図、右図)。一般的に、単壁孔は木部柔細胞や師部繊維に、有縁壁孔は管状要素 (仮道管や道管要素) に見られる。 壁孔において、壁孔壁と孔口の間にできた空間は壁孔室 (pit chamber; 壁孔腔 pit cavity) とよばれる。有縁壁孔において壁孔の直径に対して細胞壁が非常に厚くなったものでは、壁孔室から細胞内側に向かって細い管状の通路が形成され、これを壁孔道 (pit canal) とよぶ。壁孔道において壁孔室に面した開口を外孔口 (outer aperture)、細胞内側に面した開口を内孔口 (inner aperture) とよぶ。また隣接する壁孔の孔口が融合して溝状になったものは、結合孔口 (coalescent aperture) とよばれる。石細胞ではさらに多くの壁孔が融合して複雑に分枝した管状の壁孔道となる (右図)。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{text-align:left;background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;text-align:center}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{text-align:center}} 単壁孔対の模式図. 緑色は細胞壁 (二次壁). 一次壁は壁孔壁 (pit membrane) になり、孔口 (pit aperture) との間にできた空間は壁孔室 (pit chamber) とよばれる. ドイツトウヒ (マツ科) の放射柔組織の走査型電子顕微鏡像. 多数の単穿孔が見える. 多くは隣接する細胞の壁孔と対になっている. 同左の単穿孔対の縦断面 (左の模式図を90°回転させた状態). 口孔縁は張り出していない. 左右の腔所は細胞間隙. 壁孔の大きさや形 (円形、多角形、楕円形、細裂状) には大きな多様性がある。また細胞壁表面での配列様式にも多様性があり、細長い壁孔が平行にならぶもの (階段状 scalariform) や、縦横に規則正しくならぶもの (対列状 opposite)、交互に規則正しくならぶもの (交互状 alternate) などがある。またマメ科などの二次木部では、孔口付近に多数のいぼ状突起が存在することがあり、ベスチャード壁孔 (vestured pit) とよばれる。
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