医学的状態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 06:52 UTC 版)
自殺傾向と、慢性疼痛、外傷性脳損傷、がん、腎不全(血液透析を必要とする)、HIV、全身性エリテマトーデスなどの身体的健康問題との間には関連性がある。がんの診断によって、診断された人はその後の自殺の頻度が約2倍になる。自殺傾向の増加の有病率は、うつ病およびアルコール乱用について調整した後も関連した。複数の病状を有する人々に関して、その頻度は特に高かった。日本では健康問題が自殺の第一の理由として挙げられている。 不眠症は危険因子である。また睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害も、うつ病や自殺の危険因子である。睡眠障害はそれ自体が、うつ病とは独立した、自殺の危険因子である可能性がある。甲状腺機能低下症、アルツハイマー病、脳腫瘍、全身性エリテマトーデス、多数の薬物(β遮断薬やステロイド薬など)による副作用など、気分障害に類似した症状を呈する病態は他にも数多くある。 トキソプラズマ原虫 (トキソプラズマ症としてより一般的に知られている) による感染は、自殺のリスクと関連している。これは免疫応答による神経伝達物質の活性変化が原因であるという説がある。 また、日照時間の季節的変化が自殺率を季節的に変化させている可能性がある。自殺は(12月後半の日照時間が短い)クリスマスの頃には減少していて、春から夏にかけては増加しており、これは日光を浴びる時間と関係がある可能性がある。 自殺が遺伝する程度の研究、そのメタ分析については、リスクファクターの節のリード文で説明した。精神障害を考慮すると、推定された遺伝率は自殺念慮で36%、自殺企図で17%だなどとする研究など、調査ごとに異なった数字をはじき出している。
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