北条実時とは? わかりやすく解説

ほうじょう‐さねとき〔ホウデウ‐〕【北条実時】

読み方:ほうじょうさねとき

1224〜1276]鎌倉中期武将義時の孫。引付衆評定衆歴任して執権補佐学問好み書籍書写収集して晩年建てた武蔵国金沢称名寺保管蔵書子孫によって一層拡充され金沢文庫となった金沢実時称名寺殿。

北条実時の画像

北条実時

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 02:11 UTC 版)

 
北条実時
北条実時像(国宝)/称名寺所蔵
時代 鎌倉時代中期
生誕 元仁元年(1224年
死没 建治2年10月23日1276年11月30日
別名 金沢実時(金澤実時)
戒名 称名寺正慧
墓所 横浜市金沢区称名寺
官位 掃部助、宣陽院蔵人、従五位下、
越後、従五位上、贈正五位
幕府 鎌倉幕府小侍所別当、引付頭人、評定衆
主君 藤原頼経頼嗣宗尊親王惟康親王
氏族 北条氏
父母 父:北条実泰、母:天野政景の娘
兄弟 実時小山長村妻、唐橋通時妻、大江広時妻、藤原忠嗣妻、朝氏妻、江間越後四郎妻
正室:北条政村の娘、他
実村、篤時、顕時時直?、実政時国(養子、名越時長の子)[注釈 1]、女子(長井宗秀妻)、女子(時長の子・名越長頼の妻)、女子(飛鳥井雅有妻)
テンプレートを表示

北条 実時(ほうじょう さねとき)は、鎌倉時代中期の武将北条氏一門金沢流北条氏の実質初代で、金沢 実時(かねさわ さねとき)とも。父は北条実泰。母は天野政景の娘。

略歴

北条実時墓(称名寺内)

天福元年(1233年)、10歳にして、伯父で得宗家当主・鎌倉幕府第3代執権北条泰時の邸宅において元服[2]烏帽子親も務めた泰時から「時」の字を受けて実時と名乗る(「実」字は父から継承したもの)[3][4]。翌文暦元年(1234年)に出家した父から小侍所別当を移譲される。若年を理由に反対の声があったが、執権泰時はそれを押さえて実時を起用した。その頃、泰時の子時氏時実が相次いで早世し、泰時の嫡孫北条経時得宗家の家督を継ぐ事になっており、泰時は経時の側近として同年齢の実時の育成を図ったのである。泰時は2人に対し「両人相互に水魚の思いを成さるべし」と言い含めていた(『吾妻鏡』)。以後3度にわたって同職を務める。

4代執権北条経時、5代北条時頼政権における側近として引付衆を務め、宝治元年(1247年)の宝治合戦では御所の守護を担当している。建長5年(1253年)には評定衆を務める。文永元年(1264年)には得宗家外戚安達泰盛と共に越訴頭人となり幕政に関わり、8代執権の北条時宗を補佐し、寄合衆にも加わった。

文永の役の翌建治元年(1275年)には政務を引退し、六浦荘金沢(現在の横浜市金沢区)に在住。蔵書を集めて金沢文庫を創設する[5]。翌建治2年(1276年)に死去、享年53。

文化人としても知られ、明経道清原教隆に師事して法制や漢籍など学問を学び、舅の政村からは和歌など王朝文化を学ぶ。源光行親行父子が校訂した河内本源氏物語』の注釈書を編纂する。また、実子実政にあてた訓戒状も知られる。

経歴

※ 日付は旧暦(1915年(大正4年)の記事を除く。)

  • 1234年文暦元年)6月30日、小侍所別当と就る。
  • 1238年暦仁元年)3月18日、掃部助に任官。また、宣陽院蔵人にも補される。
  • 1252年建長4年)4月30日、幕府の引付衆と就る。
  • 1253年(建長5年)2月、評定衆に異動。
  • 1255年(建長7年)12月13日、従五位下に叙し、越後守に転任。
  • 1258年正嘉2年)、引付頭人を兼帯。
  • 1265年文永2年)6月27日、従五位上に昇叙。越後守如元。
  • 1266年(文永3年)、引付頭人を退任。
  • 1269年(文永6年)、引付頭人を再び兼帯。
  • 1275年建治元年)5月、病により武蔵国六浦に籠居。
  • 1276年(建治2年)10月23日、卒去。享年53。 
  • 1915年大正4年)11月10日、贈正五位[6]

関連作品

脚注

注釈

  1. ^ 「入来院家所蔵平氏系図」の名越流北条氏系図[1]の時國の項に「平実時為子譲所領、」(平実時子と為し所領を譲る)と注記されている。

出典

  1. ^ 山口 2002, p. 4.
  2. ^ 吾妻鏡』天福元年十二月二十九日条。
    天福元年十二月小廿九日己亥。陸奥五郎子息小童歳十。於武州御亭元服。号太郎實時。如駿河前司在座。一事以上。亭主御經營也。即又爲加冠。是非兼日之搆。有所存俄及此儀之由。被仰云々。
  3. ^ 角田朋彦「偏諱の話」『再興中世前期勉強会会報 段かづら』三・四、2004年、19頁。 
  4. ^ 山野龍太郎 著「鎌倉期武士社会における烏帽子親子関係」、山本隆志 編『日本中世政治文化論の射程』思文閣出版、2012年。 
  5. ^ 神奈川県立金沢文庫 文庫概要
  6. ^ 田尻佐 編「特旨贈位年表」『贈位諸賢伝 増補版 上』近藤出版社、1975年、35頁。 

参考文献

関連項目




北条実時と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「北条実時」の関連用語

北条実時のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



北条実時のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの北条実時 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS