化学式の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 10:15 UTC 版)
組成式も構造式も物質を構成する元素の種別は元素記号を使って表現される。また同一原子の個数を示すために元素記号の右下付き添え字をつけて表現する。 五酸化二リン P2O5(組成式) エタノール CH3CH2OH(構造式) またポリマーなどで反復の個数をワイルドカード的に示す場合に n・m などの英小文字が右下付き添え字として利用される場合もある。 ポリアセタール CH3CO[OCH2CH2]nOCOCH3 ラジカルあるいはイオンを表現する必要がある場合は、右上付き添え字で示す。ラジカルの場合は '・' を添え字とし、さらにイオンである場合は電荷に応じて '+' または '-' の符号を添え字とする。2価以上のイオンの場合は、正負を表す符号の前(左側)に価数を示す数字を添え字とする。 スーパーオキシドアニオン O2− 化学式の部分構造を示すために丸括弧 ( ) や角括弧 [ ] が使用される場合もある。閉じ括弧に右下付き添え字が存在する場合は括弧で括られた部分構造がその添え字の数字の回数だけ反復することを意味する。ワイルドカード的に示すために n、m などの英小文字が使用される場合もある。 ポリアセタール CH3CO[O(CH2)2]nOCOCH3 括弧で括られた部分構造がラジカルあるいはイオンである場合は上記と同様な規則で閉じ括弧の右上付き添え字として付与する。 ヘキサシアニド鉄 (II) 酸イオン [FeII(CN)6]4- 物質が一定比率の複数の要素で構成される場合は、各要素の化学式を·(ドット。日本語の約物である中黒「・」とは異なる記号[要検証 – ノート])で連結して1つの分子式として表す。特にイオン式の場合で、陽・陰イオンの構成比が1:1の場合は·が省略される場合もある。各構成要素の比率を示す場合は、それぞれの化学式の左側に係数をつける。係数は数値で示す場合と、ワイルドカード的に示すために n・m などの英小文字が使用される場合とが存在する。 硫酸銅 (II) 5水和物 CuSO4·5H2O 塩化ナトリウム Na+Cl− 塩化コバルトn水和物 CoCl2·nH2O 係数は比を既約してそれぞれに整数をつけるスタイルと、主要素の量を1とし、残りの要素の比を分数で示すスタイルとがある。いずれのスタイルであっても、係数が1の場合は省略される場合が多い。 硫酸カドミウム·水 (3/8) 3CdSO4·8H2O 半水セッコウ CaSO4· 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} H2O
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