動悸のマネジメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 14:21 UTC 版)
一過性の動悸であるか持続性の動悸であるのかでマネジメントは大きく異なる。来院時に動悸が消失していれば一過性動悸と考え原因検索となるが持続する場合はバイタルサイン、心電図の計測を行い、ACLSアルゴリズムに従い不整脈をコントロールする必要がある。コントロール後に動悸の原因疾患を検索する。原因検索を行う上で有効な検査としては、問診、身体診察、心電図、血液検査、画像検査などがあげられる。 問診で重要な事項としては動悸がいつ、どれ位生じたかであり、安静時か労作時に出現したのか、誘因はあるのか、頻度はどれくらい起こったのか持続時間はどれくらいあったのかなどがあげられる。既往歴としては動悸での病院受診歴、受けた検査、その他の基礎疾患が重要となる。家族歴の心臓病や突然死のエピソードも手掛かりになることは多い。社会歴としては職業、スポーツ歴、たばこ、酒、薬物歴、アレルギーの有無が重要となる。また発熱、胸痛といった随伴症状の有無を確認する。 身体診察では眼瞼結膜の貧血、甲状腺腫大、心雑音、肺雑音、下腿浮腫の有無が重要である。心電図検査では脈拍数、リズム、その他の虚血性変化やQT延長、δ波の有無などを確認する。血液検査では甲状腺機能、凝固機能検査、CKやトロポニンTをはじめ一般的なものが調べられることが多い。 動悸が持続したとしても洞調律であり徐脈または頻脈の場合は基礎疾患の治療のみを行う。洞調律の頻脈のみで致死的な疾患である可能性はかなり少ない。しかし洞調律では心拍数は150回/分以上にはならないのが一般的である。心拍数が150回/分以上の場合は不整脈があると考え、薬物療法を行う場合が多い。 診断がついたら疾患に基づいたおのおのの治療が主に循環器内科にて行われる。
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