力学的特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:18 UTC 版)
ポリマーの最大の特徴は、典型的な粘弾性体であることである。高分子濃厚溶液とポリマー溶融体(高分子濃厚系)はチキソトロピー流体であり、粘度は一定ではない。剪断ひずみ速度が大きくなると粘度は小さくなり流動性は大きくなる。これは、低分子濃厚系はニュートン流体であって粘度は一定であることと対照的である。チキソトロピー性はポリマーの成型加工および、塗料や食品などの工業用品の性能に大きな影響を与える。 ポリマーの力学的特性に影響を与える、高分子の構造に起因する因子として次が挙げられる。 分子量および分子量分布 分子鎖の架橋と分岐 結晶性と、結晶状態での分子鎖骨格の形態(結晶形態) 共重合かどうか。共重合ならばその組み合わせと様式 配向性 充填剤 また、外的な環境因子として次が挙げられる。 温度 時間、速度、周波数、振動数 圧力 応力とひずみの振幅 応力の種類(引張、圧縮、剪断、静水圧) 熱履歴 高分子の物性的な差によって屈曲性高分子、剛直性(棒状)高分子、半屈曲性高分子、塊(球)状高分子という分類ができる。 屈曲性高分子 - よく曲がる高分子鎖があり、溶液中では糸まり状 剛直性(棒状)高分子 - 高分子鎖が直線状であり持続長が長く硬い 半屈曲性高分子 - 屈曲性高分子と剛直性高分子の中間 塊(球)状高分子 - 球状の橋架け高分子
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