力学的貯蔵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 08:53 UTC 版)
エネルギー貯蔵手段として、水を高い場所に汲み上げて揚水発電に使ったり、空気を圧縮したり、フライホイールを回したりという方法がある。 1kgの質量を1000m持ち上げると、9.81KJのエネルギーを貯蔵できる。これは1kgの質量を秒速140mに加速するのと等価である。これと同じエネルギーを使えば、1kgの水の温度を2.34℃上昇させることができる。明らかに不公平な比較だが、1m3 の安価な岩や砂、コンクリートの塊でも高い場所に移動させれば、1m3の鉛蓄電池より大量のエネルギーを蓄えることができる。鉄道を利用したシステムが試験されている。 圧縮空気の形でエネルギーを貯蔵するには夜間の安価な電力を使えばよく、圧縮空気は地下の空洞に溜めればよい。そして、電力需要のピークの時間帯にこれを解放し、普通の燃焼型タービンの排気熱でその空気を熱する。熱した空気を膨張タービンに使えば発電できる。圧縮空気エネルギー貯蔵 (CAES) 施設は1991年にアラバマ州マッキントッシュに建設され、稼動に成功している。Walker Architects は二酸化炭素ガスを使ったCAESによるエネルギー貯蔵を2008年10月24日に提案している。 いくつかの企業は、圧縮空気を自動車の動力源とする研究(圧縮空気車)を行っている。
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