力学的安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 15:11 UTC 版)
「(612243) 2001 QR322」の記事における「力学的安定性」の解説
力学的安定性に関する初期の研究では、限られた観測弧(Observation arc)から求められたわずか数個の軌道要素の不確定要素に広がる少数のテスト粒子を利用しており、多くのテスト粒子が50億年の間トロヤ軌道に維持されているため(612243) 2001 QR322は非常に安定した軌道にあるとした。その後、海王星トロヤ群の安定性は単純に想定された。 より近年の研究では、長い観測弧から導かれた6個の軌道要素で不確定要素3σの範囲に広がる数多いテスト粒子が利用されており、以前考えられていたよりもはるかに安定性が低いと見積もられた。テスト粒子は指数関数的に5億5300万年で失われた。更なる観測で (612243) 2001 QR322 の軌道が安定状態にあるか不安定な状態にあるか判断できる。 安定性は軌道長半径に強く依存しており、30.30 au 以上で非常に安定している。一方で他の軌道要素への依存は低い。これらの原因は、大きな軌道長半径の場合秤動が 70° までと大きな振幅を持っており、トロヤ軌道と土星、天王星、海王星の第二共鳴で不安定化しているためである。永年共鳴(英語版)は力学的安定性に貢献していないことが判明している。
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