初期・サービスセンターの完全独立性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 23:00 UTC 版)
「伝言ダイヤル」の記事における「初期・サービスセンターの完全独立性」の解説
サービスエリア内の各市内交換機から変換発信された「0170-△0-発信のダイヤル信号」はサービスエリア内の市内回線・市外回線網を経由してエリア内のサービスセンター所在地の市外交換機へ送られる。しかし、そこから先の全国へ通じる市外回線網への展開設定がなされていなかった。このため「017-」の青森県地域へは送出されない。「0170-△0-発信のダイヤル信号」はサービスセンター所在地の市外交換機からはエリア内の伝言ダイヤルサービスセンターへ送出される。その次に(東京伝言ダイヤルセンターの場合は)下6桁の-00-8300で録音用装置、-10-8301で再生・追加録音用装置へのアクセスする。 尚、東京エリアの東京都内では(都内専用伝言ダイヤルセンター)として-40-8000で録音用装置、-40-8001で再生・追加録音用装置へもアクセスする。 一方、エリア外の各単位料金区域に設置されている市外交換機には「0170-△0-」で始まる番号に対する市外回線の展開設定がされていなかった。このため、エリア外からはサービスを利用する事はできなかった。 上記の要因のため、各サービスエリアは完全に独立しており、東京で録音した伝言を名古屋、大阪等の他サービスエリアで再生すると言う事はできなかった。 また、「0170-△0-」は通常の市外局番とは異なり、NTTはエリア内のセンター所在地の市外交換機を経由してセンター装置にアクセスするための「エリア内限定市外局番」となる様に交換機を設定していた。このため同じ #8500 (0170-50-8000) でも千葉サービスエリア内でダイヤルした場合は「千葉伝言ダイヤルセンター・録音用」にアクセスしたが、神奈川サービスエリア内でダイヤルした場合は「神奈川伝言ダイヤルセンター・録音用」にアクセスした。 初期・伝言ダイヤルサービスでは、サービスが提供されるエリア内相互間の発信・着信しかできない様にNTTの交換機が設定されていた。 尚、サービス開始当初、東京伝言ダイヤルセンターには、試験用(当初名は、伝言板サービス。後に東京伝言ダイヤルセンターとなる。)として、 録音用 03-148(#8300ダイヤル時と同じセンター装置に接続) 再生追加録音用 03-140(#8301ダイヤル時と同じセンター装置に接続) の番号が設置されていた。これらの番号はダイヤル回線の電話機からも「パルス-PB音切り替えスイッチ」操作により利用が可能であった。また、交換機によるアクセスエリア規制がかけられている「0170-△0-」で始まる番号とは異なり日本全国からの利用も可能であった。尚、伝言ダイヤルセンター装置は03地域の市外交換機に接続されていたため、03地域内からのダイヤル発信であっても自局の市外局番の03をダイヤルして、一旦、03地域の市外交換機にダイヤル信号を送出する必要があった。 03地域内から発信する場合、自局市外局番である03発信を規制して03を強制削除する設定がなされている市内交換機(主にD70型デジタル交換機)に収容されている電話からは、03を付けてダイヤルしても市内交換機が03を削除してしまうので、局番無しの148・140として変換ダイヤル発信されてしまい利用は不能であった。また03を削除しない市内交換機であっても作動プログラムに03-148・03-140の番号を受け付ける設定が欠落していた場合も同様に利用不能であった。 一方03地域の外からも、市内交換機の作動プログラムに03-148・03-140の番号を受け付ける設定が欠落していた場合は利用不能であった。また、03地域に到達するまでの間にダイヤル信号が通過する市外中継回線網は、回線の込み具合等により様々なルートが自動選択されるが、自動選択されたルート上の市外中継交換機の作動プログラムに03-148・03-140の番号を受け付け、次の回線へ展開送出する設定が欠落していた場合も利用不能であった。 東京伝言ダイヤルセンターのサービスエリア内から「#8300 (0170-00-8300) ・#8301 (0170-10-8301)」、及び「03-148・03-140(こちらの2つの番号はエリア内の各交換機が番号を受け付け、回線が展開している事が条件。)」のどちらをダイヤルしても、センター所在地である03地域の市外交換機にダイヤル信号は到達した。 尚、初期・伝言ダイヤルサービスでは、サービスエリア内の市内交換機が「0170-△0-」と言う番号を認識すると「伝言ダイヤルセンターの利用料金」として、2ランク高い通話料金を課金するシステム設定になっていた。しかし、「03-148・03-140」をダイヤルした利用では料金距離ランクが2ランク上げられる事は無く、通常のダイヤル通話料金が適用され、「#8300 (0170-00-8300) ・#8301 (0170-10-8301)」をダイヤルした利用よりも料金は安くなり、NTTが意図とするこの2ランク高い課金はされなかった。 NTTは「適正な料金課金・サービスエリア管理」の観点から本格的にサービスが開始された後、しばらくして03-148・03-140の番号を廃止し、使用不能とした。
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