初代 - 第5代
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初代コーク伯爵リチャード・ボイルは「偉大なる伯爵」(Great Earl) として知られている。イングランドのカンタベリーで生まれたが、1588年にアイルランドに移住し、そこで結婚してコーク県に広大な土地を買った。1631年から1643年まで彼はアイルランド大蔵卿 (Lord Treasurer of Ireland) (英語版) を務めた。三男のロジャー・ボイル(Roger Boyle, 1st Earl of Orrery、1621年-1679年)が1660年にオーラリー伯爵に叙されたのを初めとして、その息子の内4人 が叙爵を受けたことで有名であり、ボイルの法則を発見した物理学者サー・ロバート・ボイル (Sir Robert Boyle、1627年-1691年) は7番目の息子である。 1643年初代伯爵が亡くなると、コーク伯爵位は長兄ロジャー・ボイル (Roger Boyle、1606年-1615年) が若くして亡くなっていたため、二男のリチャード・ボイル (Richard Boyle、1612年-1698年) に承継された。第2代伯爵は前年既に彼の弟ルイス・ボイル (Lewis Boyle、1619年-1642年) から、勅許状の特別遺贈によりキナルミーキーのボイル子爵位 (Viscount Boyle of Kinalmeaky)(英語版) を承継していた。彼は第2代クリフォード女男爵エリザベス・クリフォードと結婚し、1644年、ヨーク州でイングランド貴族であるレーンズボローのクリフォード男爵位 (Baron Clifford of Lanesborough) を創設した。彼は後にアイルランド大蔵卿 (Lord Treasurer of Ireland) (英語版) となり、ヨークシャー・ウェスト・ライディング統監 (Lord Lieutenant of the West Riding of Yorkshire) (英語版) となった。1664年、さらにイングランド貴族であるバーリントン伯爵位を叙爵された:77。 リチャードの唯一の息子で相続人のチャールズ・ボイル (Charles Boyle、1639年-1694年) は、1663年に父親が従属爵位として保持していたダンガーヴァン子爵位によって、繰上勅書でアイルランド王国貴族院(英語版)に召喚された。チャールズは後にイングランドのタムワース (Tamworth) (英語版) とヨークシャーからイングランド王国庶民院議員に選出された。1689年、チャールズは父のレーンズボローのクリフォード男爵位によって、繰上勅書でイングランド王国貴族院に召喚された:77。 1698年第2代伯爵が亡くなるとコーク伯爵位は第2代伯爵の孫で、第3代ダンガーヴァン子爵の息子であるチャールズ・ボイル (Charles Boyle、1660年–1704年) に承継された。彼はアイルランド大蔵卿であり、ヨークシャー・ウェスト・ライディング統監であった:77。 1704年第3代伯爵が亡くなると、爵位は唯一の息子リチャード・ボイルに承継された。 彼はバーリントン伯爵として知られ、パッラーディオによる古代ローマの建築図面を出版し、ウィリアム・ケントと共にチジックハウスの設計をした著名な建築家であった:77。 1753年に第4代伯爵のリチャードが亡くなると、彼には息子がいなかったため、レーンズボローのクリフォード男爵位とバーリントン伯爵位は廃絶となった。彼のバーリントン・エステート (バーリントンハウス周辺一体の不動産) とクリフォード男爵位は一人生き残っていた彼の娘シャーロットにより承継された。彼女は第4代デヴォンシャー公爵ウィリアム・キャヴェンディッシュと結婚し、その三男ジョージ・キャヴェンディッシュ (George Augustus Henry Cavendish、1754年-1834年) (英語版) は1831年にバーリントン伯爵位を復活させた。 コーク伯爵位は三従兄弟 (曾祖父の初代バーリントン伯爵の弟のオーラリー伯ロジャー・ボイルの曾孫) 第5代オーラリー伯爵ジョン・ボイルに承継され彼が第5代伯爵となった。ジョンは既にアイルランド貴族のブロッグヒル男爵位とイングランド貴族のマーストンのボイル男爵位を承継しており、この爵位は1999年までイギリス貴族院に議席を有することとなった。彼は作家でジョナサン・スウィフト (Jonathan Swift、1667年-1745年) 、アレキサンダー・ポープ (Alexander Pope、1688年-1744年) 、サミュエル・ジョンソン (Samuel Johnson、 1709年-1784年) 等と友人であった。
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