分断地点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/30 09:28 UTC 版)
「パンアメリカンハイウェイ」の記事における「分断地点」の解説
パンアメリカンハイウェイは、パナマとコロンビアの間にあるダリエン地峡(Darién Gap)一帯で、約87kmにわたって南北に分断されている(他にパナマ運河も地理的にハイウェイを分断している地点として知られているが、こちらについては橋が架かっており、道路が分断されているわけではない)。 ダリエン地峡を道路でつなぐことについて過去に調査が行われたこともあるが、このあたり一帯は、中南米でもっとも多様な植物相を持った地帯の一つとして知られており、ダリエン国立公園(パナマ)、ロス・カティオス国立公園(コロンビア)として世界遺産に登録されている。また、エンベラ(Embera)族、ウーナン(Wounaan)族、クナ(Kuna)族などいくつかの先住民族が森林に依拠した生活を営んでいるため、熱帯雨林保護や先住民族の生活保護の観点から道路敷設について反対する意見の方が多勢を占める(このことを物語るエピソードの一つとして、上述のヤビザが挙げられる。ヤビザ一帯は1970年代までは鬱蒼とした密林地帯だったが、道路が建設されたことで森林の乱伐が進み、今では道路の両脇(幅にして数キロメートル)の部分が、道路に沿ってベルトのように森林が消失した状態になってしまっている)。 その他、熱帯性疾患や口蹄疫の北米地区への侵入予防、パナマへのコロンビア人の不法移民の増加抑制なども道路建設反対の理由とされている(ちなみに、ダリエン地峡周辺は、麻薬密売ルートや反政府ゲリラの拠点としても知られており、中南米全域で最も危険な地帯の一つにも数えられている)。
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