出版後の北朝鮮の動向と金正男の死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 05:03 UTC 版)
「五味洋治」の記事における「出版後の北朝鮮の動向と金正男の死」の解説
韓国国家情報院や中国筋の話として、金正恩が政権を取得して以降の北朝鮮では、金正男暗殺の指示が継続的に出され、暗殺部隊も組織されていたことが報道されている。 それによると、告白本出版と同じ年の2012年には、北朝鮮工作員と見られる人物による金正男の暗殺が中国当局によって阻止された事件が実際に北京で発生しており、金正男は出版の3ヶ月後に当たる同年4月に「私と家族を助けてほしい」と暗殺指令の撤回を求める助命嘆願書を金正恩に送っていたとされる。これらの報道はタイミングが近い告白本の出版と暗殺指令との関連性を直接示唆するものではないが、事実であれば、五味が出版にあたって主張していた告白本による北朝鮮への抑止効果は全く働いていないことになる。 金正男は金正恩の本格的な統治が始まってからは殆ど北朝鮮には帰らず、過去の世襲批判を悔いて金正恩に許してほしいと周囲に漏らし続けていたとされる。 告白本出版から5年後の2017年2月13日、金正男はマレーシアのクアラルンプール国際空港で襲撃され、同日死亡した(金正男暗殺事件)。前出の李策は、金正日の甥であり金正男の従兄弟にあたる李韓永が北朝鮮の暴露本を出版し暗殺されたこととの類似性を指摘している。 五味は4日後の2月17日に日本外国特派員協会で会見を開き、金正男の死について妻とともに非常にショックを受けているとしながら、「彼(金正男)の主張を簡単に要約すれば、北朝鮮の体制のあり方に批判的だったということです。(中略)この発言を報道したり、本にしたことで彼が暗殺されたとみなさまがお考えなら、むしろこういう発言で1人の人間を抹殺するという、そちらの方法に焦点が当てられるべきでしょう。」と述べ、自身の多忙や心理状況を理由として昔から関係があるメディア以外からのこれ以降の取材は基本的には受け付けないとしている。
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