出版後の動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 18:44 UTC 版)
かつて、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)は北朝鮮に関するネガティブな報道が行われるたびに、報道機関に対して組織的な抗議運動を繰り広げた。日本社会の「良心的」と評される人々が北朝鮮に共感し、あるいは批判を差し控えようとする風潮も強かった。当事者である在日朝鮮人たちも、日本社会からの孤立や、対立する体制を利するといった意識、周囲との関係や北朝鮮に帰還した係累に災いが及ぶという懸念から、北朝鮮の実情について積極的に語ろうとする者は少なかった。 そのような社会情勢のもと出版されたこの本についても、朝鮮総連はその内容を強く否定するとともに、懸命に著者を探したといわれる。しかし、この本が話題となり、在日朝鮮人の間でも北朝鮮のありように疑問を持たれていることが広く知られるにつれ、北朝鮮への無条件の肯定は力を減じていくこととなった。 1989年には同じ出版社から『どん底の共和国 - 北朝鮮不作の構造』が、1990年には『暗愚の共和国 - 北朝鮮工業の奇怪』が出版された。これら3冊の北朝鮮批判本は、北朝鮮の社会体制や、その経済不振を説明するための手掛かりとして、書籍や論文で参照されている。 また「凍土の共和国」という語そのものが、批判的に北朝鮮を指す表現として、報道の中で用いられる例もある。
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